Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』6〜10巻の感想


これを書いている時点では10巻は未読だが、『うさぎドロップ』は、自分の中では少し変わった読み方をしている漫画だ。
そもそも、1巻を読んだ時点では、それほど特殊性を感じず、4巻まで読んで、「変わった子育て漫画」であることが分かってきた。さらに、5巻の展開に衝撃を受けてからは、読み方を変えた。
つまり、次の展開に備えるために、そして、目の前の急展開を理解するために、前の巻をしつこく読み返すという「ディフェンシブ」な読み方だ。特に7巻、8巻、9巻あたりは、それを読む前に、何度前の巻を読み直して「衝撃波」に備えたことか…。
しかも、この漫画はそれに答えてくれる。
最近読んだ本では読み方も含めて一番のお気に入りだった角田光代対岸の彼女』がこれに近いかもしれない。「ものすごくよくわかる」というよりは「途中まで理解できる」くらいの性格の方が、魅力的に映る。りんや正子をはじめ、少しずつ登場人物の気持ちが理解できないからこそ、この物語は面白いんだと思う。

宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』1巻〜5巻の感想