Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

老若男女問わずオススメしたいアニメ『ユーリ!!! on ICE』


昨年(2016年)は、個人的には、Amazonタブレット端末(KindleFire)によって時間の使い方が大きく変わった。
具体的には、通勤時間で見終える程度のアニメ作品や、特撮、ドラマのような30分単位くらいの連続ものを見るようになったということが大きい。
そして、年末になって大変な作品を観てしまった。
それが、この『ユーリ!!! on ICE』。


この作品の凄いところは、アイススケートの美しさを際立てて見せるということにある。
必殺技が出るわけでもなく、比喩表現や効果音、決め台詞で競技を組み立てるのではなく、ひたすらにアニメーション表現で、アイススケート競技を魅せる。結局はここに尽きる。
第1話で勝生勇利がヴィクトルのコピー(踊ってみた)を滑るシーンや、最終2話(第11話、第12話)でのグランプリファイナルの6選手の滑走が、それぞれかなり長い時間取られているにもかかわらず、長さをほとんど感じさせないということは、アニメーションで動きを見せることと、アイススケートで体の動きを表現することが非常に相性が良いということを示しているのだと思う。


ただ、勿論、このアニメの良さはそれだけじゃない。
「表現すること」に対する各選手の考え方の違い、変化が面白い。
この作品では、多くの選手が、「愛」をどのように表現するか、について模索するが、特に、主人公の勝生勇利が、演技の中にとどまらず、「愛」について、全身で向かっていく様に引き付けられる。
最初にヴィクトルから与えられたショートプログラムの演目”愛について〜Eros〜”に対して、まず、自らの愛を「カツ丼に対する愛」と解釈する。
その後、当初思い描いたストーリー(ジゴロの男が主人公)から大きく変えて、女性を主人公にした内容にして、美女になり切って滑る。
そして、そのことによって、競技以外の日常生活の中でも、自らの「愛」が外側に出ていく。そこが最高に面白い。
競技者としての成長と並行して、人間としての成長が描かれている。
そこが、このアニメの一番の魅力だと思う。
この作品の名言は数多くあるが、5話での会見シーンの勇利の言葉は、絶対に欠かせない。

今年のグランプリシリーズで
僕がテーマにするのは「愛」です
今までのスケート人生、
いろんな人に助けられながらやってきましたが、
愛について考えたことは一度もありませんでした。

恵まれた環境にいながら それを活かしきれず、
一人で戦ってるような気持ちでずっといました。

けど
ヴィクトルコーチが現れて、僕の見ていた景色は一変しました。


僕の愛。
それはわかりやすい愛や恋ではなくて、
ヴィクトルとの絆や
家族や
地元に対する微妙な気持ち
ようやく自分の周りにある
愛のような物に気付くことができました。
はじめて自分でつなぎ留めたいと思いたい人、

それがヴィクトルです。


その感情に名前はないけどあえて愛と呼ぶことにしました
愛を知って強くなった僕をGPファイナルの金メダルで証明します!


勿論、話題になった第10話にも驚かされたが、とても長くなってしまうので、ここでは省く。
ひとつだけ言うと、この回では、勇利のヴィクトルに対する行動以上に、ピチット君の名アシストが凄すぎる。


さて、勿論、タイのピチット君だけでなく、各国のスケート選手はみんな魅力的だ。
中でも自分が好きなのはユーリ・プリセツキー(ユリオ)。造形的なことに絞ると、長髪と女性っぽい動きが素晴らしい。そして、肩甲骨や背骨から腕を伝って指先まで、フィギュアスケートにおける背中付近の表現力がいかんなく発揮されている。このキャラクターが一番「美しい」と思う。
また、最終回の12話になって、一年前のGPファイナル(第1回)でユリオが勇利をどう見ていたかが分かるというストーリーの妙は素晴らしい。これだけでなく、勇利、ユリオとヴィクトルとの関係は全12話を観てみると、綺麗すぎるほどにまとまっており、ストーリーとして穴がない。一応、続編が期待されるような終わり方になってはいるが、これで話が終わっても納得度の高い作品だ。
現在、2週目を見ているが、何度でも繰り返し見たい作品。佐賀県唐津市聖地巡礼の旅に行きたいくらい好きです。(イカ食べたい)


最後にもう一つ加えるなら、ディーン・フジオカによる主題歌「History Maker」が本当に素晴らしいです。英語詞ではありますが、サビの「We were born to make history」という部分だけでも気持ちが鼓舞されます。ディーン・フジオカ本人による公式HPのコメントも誠実さを感じるし、内容に非常にマッチした曲です。目下のところのカラオケ課題曲でもあります。

この曲”History Maker”は、勇気を持って日々限界に挑戦するあなたに捧げる応援歌です。 厳しい競争の中でチャレンジし続けるアスリートの方々はもちろん、それぞれの立場で新しい歴史の1ページを作る挑戦をしている方々への応援歌。そして自分もネクストレベルを目指し努力し続ける”History Maker”でありたいという思いも込めてレコーディングを行いました。 「ユーリ!!! on ICE」の主人公勇利の視点、勇利を導くヴィクトルの視点、そして皆で歴史を作っていくんだ、というより普遍的で広い視点。それぞれの視点が絡み合った構成にメッセージを込めています。
公式HPより引用

History Maker

History Maker