実は、今に至っても『映像研に手を出すな』は原作漫画を読んでいない。今年に入ってアニメを見て、ドラマを見て、今回の映画に至る。
そもそも、アニメがその映像も含めて楽しんだだけでなく、大好きな伊藤沙莉の声優挑戦も素晴らしく、「浅草氏はもうこの声しかありえない」と惚れ込んでいたので、「実写ドラマー、えー…しかも乃木坂ねー」…と舐めていた。
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だけでなく、3人が3人にしか見えない。特に浅草氏と金森氏。
浅草氏は、乃木坂の齋藤飛鳥が演じていると意識すると、独特の口調のわざとらしさが気になるが、見ていると、そんなことを思う暇がない。ビジュアル含めて、あの「浅草氏」にしか見えない。
金森氏は、背の高さと怖さが、やはりアニメのまま。(繰り返すが漫画を読んでいない)ブレザーのポケットに両手を突っ込む個性的なポーズは、原作をどの程度忠実になぞっているのか知らないが、全く乃木坂の人には見えず、ドラマでの金森氏のトレードマークとなった。(ソワンデとかもやっているけど)
残りの水崎氏も、映画まで付き合うと、やはり慣れてきて、「水崎氏」にしか見えなくなる。とにかく、この作品は3人のキャスティングありきだったように思う。
さて、映画(ドラマも)の監督は英勉。*1
2月に観に行った『前田建設ファンタジー営業部』も英勉監督だったので、今年2度目だ。
で、よくよく見ると、この人は『賭ケグルイ』の監督もしているという。漫画原作であることも、ドラマ→映画の流れも同じ。内容も、女子が仕切る極悪生徒会が一致しており、出演俳優で一致する人は少ないかもしれない(少なくとも浜辺美波が共通)が、豪華メンバーの競演という意味では同じ。
ゴチャゴチャした大人数エンタメ映画でもとっ散らからず、「上手くまとまった」感じは素晴らしい(この前に観た映画が『TENET』だからなおさらそう思うのかもしれない)と思ったが、おそらく英勉監督がそういうのが得意なのだろう。
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キャストで言うと、3人は別格として、良かったのは、何といってもソワンデ。
生徒会にいながら映像研を助ける役回りで、本作で一番美味しい役を、金森氏に匹敵する迫力で演じた。
演じるグレイス・エマさんはにガーナ人と日本人を両親に持つ「14歳」だというが、14歳はちょっと驚きだ。
次は、百目鬼。アニメでも百目鬼は最初は男か女かよくわからないキャラクターだったが、この映画でも絶妙に男子っぽい女子で原作通りのキャスティングだと思う。(原作を読んでないのだが…)
ロボ研は、仮面ライダービルドの赤埜衛二が出ていて嬉しかったが、フロントの板垣瑞生の泣き演技も良かった。(この人は、映画『響 -HIBIKI-』に出ている人なんですね)
なお、ロケ地として地下神殿が遺憾なくその潜在力を発揮していて良かった。
ということで、肝心の内容については特に触れなかったが、特に驚きはないものの、しっかり満足させてくれる内容で良かった。『賭ケグルイ』とは、学校内での争い、特殊ルールを司る生徒会を仕切るのが女性など多くの部分が共通する。と思ったが、これの男バージョンが『帝一の國』かもしれない。恋愛要素が希薄な「特殊設定学園もの」は結構好きなジャンルだ。
なお、映像研は乃木坂メンバーはメイン3人だったが、8人出演の『あさひなぐ』も英勉監督だという。実は『賭ケグルイ』も松村沙友理(乃木坂46。賭ケグルイでは陰でファンを罵倒するアイドルを演じる)が良かったので、ちょっと一気にアイドル映画を色々見てみたいなと思っているところです。
そして、映像研は、ちゃんと原作漫画を読まないと…
*1:恥ずかしながら、今回初めて「はなぶさ・つとむ」であることを知る。