Yondaful Days!

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これまで見たことない映画~『リョーマ! 新生劇場版テニスの王子様』


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本当は、『空白』か『護られなかった者たちへ』が見たいと思っていた。
しかし、それでも『リョーマ!』を選んでしまったのは、邦キチのせいだ。
もともと映画館で予告編を見たときから気になり過ぎていたこの映画。登場人物たちが、少しぎこちない感じのCGで画面を埋め尽くすようにダンスを踊る、というだけで頭の中は疑問符でいっぱいとなり、ラップバトルもあると聞き、行きたい気持ちは膨れ上がる。
それだけなら、まだ良かった。
9月末にTwitterに流れてきた日ペンの美子ちゃんの漫画にさらに気になるワードが追加された。

足テニス……!!!
足テニスって何だよ!


公開から1か月くらい経っているが、調べてみると、応援上映(無声)すら行われているという。
そこに来て、邦キチ(上の日ペンの美子ちゃんと同じ服部昇大さんの漫画で正式名称は『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』)の10/15公開のネタが『リョーマ!』であるとの発表。
邦キチで読んでしまったら、この盛り上がった『リョーマ!』熱は、かなりクールダウンされて、見てないのに見た気になってしまうかもしれない。
むしろ、「あれでしょ。ラップとダンスと足テニスのテニス映画でしょ」と決めつけて、結局本編を見ようという気にならないかもしれない。


『空白』や『護られなかった者たちへ』を見た場合、何か具体的な社会問題に関心を持ったり、俳優の演技力に感嘆し、ストーリーに涙して、周囲に映画の良さを布教するかもしれない。
どんなに自分にとって名作映画だったとしても、そこは想定の範囲内だ。

しかし、『リョーマ!』の場合は、想定外だ。
これまでCGのキャラクターがラップバトルする映画を見たことがないし、ましてや、足テニス…
さらに、この映画、2バージョンあるというのも意味が分からないし、レビューに「エンドロール後に8曲かかるので席を立たないで下さいね」という言葉を見かけたのも気になる。

ここまで気になっているのに、その炎をすべて邦キチに消されてはかなわない。
もう行くしかない。

で、見てきました

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そもそも今回は番外編的な位置づけで、映画だけでも意味の分かる親切設計にはなっているが、予想以上に全体的に明確にストーリーの起伏の分かりやすい映画になっていた。

確かに、ラスト全米オープンで父親のサムライ南次郎が優勝したあと、表彰式を待たずに速攻で全観客が退場する場面とかは、南次郎VSリョーマを描くためのお膳立て過ぎてどうかとも思ったし、細かい突っ込みどころは多い。

しかし、ラップバトルも足テニスも自然な流れの中で出て来るし、突然始まるミュージカルも、もともとCGのビジュアルが変なので、むしろ違和感がない。

一点、公衆電話から現代日本のライバルや先輩に繋がり突然のミュージカル演出、という部分は無理があったが、歌を終えると公衆電話の屋根の上にいることに気が付く、という限りなく不自然な展開で、ここは「そういう世界」を楽しんで見ることができた。


そして、エンドロール後の8曲は、本編とあまり関係がなかったのだが、主題歌「世界を敵に回しても」(テニプリオールスターズ)もキャッチーで、また、「Love Festival」の楽曲中に学校名で合の手を入れる仕掛けも楽しい。何より、漫画原作の画像をちりばめたダイジェストが、本編の楽しさを想像させるものになっていた。
特に比嘉中のリーゼントのキャラクターはビジュアルがカッコ良くて気になる。

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そもそも、自分は『テニスの王子様』を「新」がつかない方の最初21、22巻くらいまでしか読んだことがなく、跡部や手塚先輩などの基本キャラクターは知っているものの、例えば、自分の見たdecideバージョンで登場する幸村精一は今回初めて見ている。
また、今回、南次郎の子どもとして登場するリョーマのお兄さんもまだ登場していなかった。

今回Wikipedia等を見てみると、通常テニプリと聞くと思い浮かべる、あり得ないタイプの必殺技たちは、自分の読んだ巻よりも後あたりから頻出し始めるらしい。
そういったことを諸々含めると、今回の映画は、これからテニスの王子様を読み進めようというモチベーションを与えてくれる良いきっかけになった。
来年からアニメの新シリーズも始まるということで、どんどん必殺技を習得していきたい。

邦キチ

邦キチの『リョーマ!』回がアップされた!(Seeason7第7話)
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まさかの「足テニス」スルー…笑