Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

行きたい!が増える~岡部敬史、山出高士『見つける東京』

岡部敬史・文、山出高士・写真による「目でみることば」シリーズは、手に取りやすいサイズ、写真中心で次々とページをめくりたくなる本だが、この本は、その魅力をさらに倍化した。
構成は、同一キーワードに関する都内2か所の写真を左右見開きに配置し、次の見開き2ページに解説が来る。
例えば、最初のキーワード「伊藤忠太」に対する都内2か所は「築地本願寺」と「東京都慰霊堂」で、解説には、「伊藤忠太建築では妖怪を探そう」と建築物の随所に配された妖怪に注目している。
この種の本では毎回のことだが、またしても23区(というか旧東京市)の情報に場所が集中してしまっていることは少し残念だが、今回は、「掩体壕防空壕」で武蔵野の森公園内の「掩体壕」、「平和祈念像」で三鷹市の仙川平和公園の平和像(長崎の平和祈念像と同じ形)が紹介されている。どちらも何回か行ったことのある場所だが、平和祈念像は、北区の北とぴあにもあるということで、行ってみたくなった。

という風に、単体での魅力も感じながら、片方に行ったことがあると、もう一つも行きたくなる楽しさがある。


面白い組合せとしては


行ってみたくなったのは、家から何とか走行可能圏内を狙うと…

  • 正福寺地蔵堂東村山市):都内の国宝建築物は、迎賓館赤坂離宮とここの2つしかないという。
  • 野毛大塚古墳(世田谷区):ここは行ったことはあるがだいぶ前。古墳関連はがっかりする場所が多いが、周りから見ても上に登っても古墳っぽい楽しい場所だったように思う。併せて紹介されている『東京もっこり散歩』も気になる。

  • 旧日立航空機株式会社変電所(東大和市):「弾痕」というキーワードで機銃掃射や爆弾の破片の痕の残った建物として紹介。東大和南公園内ということで、玉川上水駅のすぐ近く。
  • 聖徳記念絵画館:ついこの前、神宮外苑に行ったときに、「国会議事堂に似てる!」と思った建物が、まさに「似ている建物」として紹介されている。まだ外から見ただけなので、開館当初から展示品が変わらないという、80点の絵画を見てみたい。
  • 聖橋:表紙にもなっている聖橋。中央線(オレンジ)、総武線(黄)、丸の内線(赤)の「三線交差」には、なかなか出会えないという。…と言われると少し待ってみたくもなる。なお、橋の名前の由来は湯島聖堂ニコライ堂を結ぶから、というのは初めて知った。


という風に、行きたいところが増える面白い本。第2弾も是非。というか「武蔵野」強化編が企画・製作されていることを祈っています。