Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

□□□『ファンファーレ』★★★★

ファンファーレ
11月に出た□□□(クチロロ)の2ndアルバム。説明が面倒なので、HMVの紹介記事をそのまま引用。

またインストゥルメンタルが約半分を占めた前作とは一変、本作は全編ヴォーカル曲で構成。日本で脈々と流れてきたポップスの歴史から、正統派ポップスはもちろんヒップホップ、アイドル歌謡までをも飲み込み、彼ら流に昇華/還元された全10曲は、全てうたものであるにもかかわらず、前作以上にバラエティに富み、圧倒的なまでに立体的な表情を浮かべる。

上にあるよう、昨年出たファーストは、1曲目が英語詞で、半分がインストという変な構成で、アプローチも音響的でありながら、歌ものはすごくPOPに仕上がっている、という独特な魅力を持った作品だった。
だから、今回のアルバムが歌もの中心だったのは、少し残念な気持ちがある。とはいえ、アルバム全体としては結構好き。特にシングル2曲とアルバム1曲目の「パーティ」のパワーが凄い。
ただ、アルバムのど真ん中に位置する5曲目「雨のち Fall in Love」。これが上でいう「アイドル歌謡」なのだが、ボーカルの大木美佐子の歌が下手すぎなのがちょっと・・・。そこまで含めて「アイドル歌謡」なのかもしれないが、コーラスを厚くするとか上手くやる方法はあるのでは?ちなみに、この声は、NHK教育ニャンちゅうワールド情報局」の*1菊地美香と同系統の声なのだが、菊地美香がかなり歌が上手いのもあって、大木美佐子のボーカルは素直に聴けなかった。

さて、アルバムの評価はそれくらいにして、HMVの記事の本題「□□□(クチロロ)に影響を及ぼした10枚!」を見ると、ゲンズブールディアンジェロ、カーティスなどと並んでオリジナル・ラヴ『踊る太陽』が入っているのに驚く!!折角なのでコメントを全部引用。

2000年代以降の田島貴男を本当に理解している人が果たしてどれくらいいるのだろう?とよく思います。もちろんアーティストの理解等と全く無関係に聴き手が感じたままに音楽そのものを楽しむというのも全く正しいし、自分もそういった楽しみ方をする事の方が多いタチなのです。彼のここ最近の異様なテンションは、情報過多からの逃避という意味で原理主義的に一方向に吹っ切れてしまう、最近のアーティストがよく陥りがちなパターンとは全く異なります。

むしろ彼ほど誠実に一アーティストとして時代と向き合い、活動している人はそうはいないです。だけに、同時代に生きる僕達としては彼からのメッセージを受け止める責任(というと大袈裟ですが)があるのではないかとついつい思ってしまうのです。まあ単純に自分が好きだからみんなもっと分かれよ、っていうことなんですが。  (三浦)

かなりオリジナル・ラヴを好きで書いているコメントとお見受けします。
というか、2000年代以降の田島貴男をあらわす作品として、最新作(『街男 街女』)を出さずにその一つ前のアルバムを出すあたりに、理解している人だなあ、と感じる。確かに、現時点でのオリジナル・ラヴの方向性に、本人が確信を持って踏み出したきっかけとなったのは『踊る太陽』だと思うからだ。
さらに、10枚目に、Doopees『Doopee Time』が挙げられているのがツボ。そう、僕が1stのときに感じた「独特の魅力」というのは、まさにDoopeesが持っていたものだと思う。1995年10月の作品ということで、ちょうど10年前の作品になる。また、これも聴きなおしたいなあ。
いずれにしても□□□は、今後の作品も楽しみなミュージシャンです。

*1:人によってはデカピンクと言うのかもしれないが