2023-01-01から1年間の記事一覧
2023最後の映画鑑賞は『ゲゲゲの謎』。 あまりに評判が良い上に、 2回見た知人からも繰り返しオススメされたので行ってきた。 前評判の高さがハードルを上げた部分もあったが、 全体を通して見ると過剰に興奮するような場所はなく、 何となく聞いていたもの…
佐々涼子『ボーダー 移民と難民』 ボーダー 移民と難民(集英社インターナショナル)作者:佐々涼子集英社Amazon佐々涼子さんの本は、昨年5月に『エンドオブライフ』を読んで非常に考えさせられたが、最新刊『夜明けを待つ』のあとがきで、佐々さんの現在の状…
ここ最近は、イスラエル・パレスチナ関連のニュースが「酷い」。 停戦終了後、戦闘、というより、イスラエルによる一方的な攻撃の舞台はガザ地区北部から南部に移り、これまでの累計死者数は1万7千人を超えるという。ウクライナの戦争でもそういう側面はあっ…
あらすじ(昨年までの湘南国際マラソンの成績) 前回書いた(1)は以下。 pocari.hatenablog.com さて、2022年に書いた(1)から1年間時間が空いてしまったが、あらすじは以下の通り。 湘南国際マラソンは、初参加での2015年のサブ4達成から2018年のサブ3.5…
悪い夏 (角川文庫)作者:染井 為人KADOKAWAAmazon 26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会…
ドキュメンタリー映画ではあるが、キャラクターが立っており、その特殊な状況から、メイン登場人物たちが、最後まで無事でいられるのか、ハラハラしながら観た。 映画で特にスポットが当たるのは、新聞社「カバル・ラハリヤ」のミーラ、スニータ、シャームカ…
原作小説を読み返して 正欲(新潮文庫)作者:朝井リョウ新潮社Amazon今回は、映画公開に備えて原作小説を読み返してみると大きな発見があった。 前回読んだときの感想は、その後、ビブリオバトルで発表することも考慮して、後半部のストーリーを避けるような…
母は死ねない (単行本)作者:河合 香織筑摩書房Amazon 河合香織さんは「この人の書く本はきっと自分にプラスになる」と信頼を置いている作家だ。 その信頼は、感性や能力的な部分だけでなく、人格的な部分にも及ぶ。「この人は誠実な人で、選んだテーマに安易…
劇場公開初日に観てきました! 怖い!楽しい!カッコいい! 何度も乗りたくなるジェットコースター的な映像美に満ちた作品でした!ただ、不満点もありましたので、良かった点(ゴジラプラス)、悪かった点(ゴジラマイナス)とに分けて感想を書いてみました…
大学生時代に所属していた運動部の行事の一環として、年に一回、街頭で「あしなが」の募金活動を手伝っていた。これが理由で、今も駅前などで募金を見かけると、あしなが学生募金には、絶対に協力する(と言っても少額)というマイルールを自分に課している…
終わってみれば王道の枠内だったが、内容を知らずに「高評価のコメディドラマ」だと思って観に行ったので、どう転がるのか分からないうちに一気にエンディングへ。 皆が嘘を抱えて生きている。 嫌なことは忘れ、世間の常識に自分を合わせて暮らしている。 そ…
共感という病作者:永井陽右かんき出版Amazonこんな本だ!>「永井陽右が、共感についての持論をまとめあげて、最終章で、ラスボス内田樹と対決したら、合気道の技に絡めとられて、何だかよくわからないうちに負けてしまった話。」 「ニュース23」に、ハンサ…
毒の恋 7500万円を奪われた「実録・国際ロマンス詐欺」作者:井出智香恵双葉社Amazon かつて「レディコミの女王」と呼ばれた漫画家のSNSに届いた、ハリウッドスターからのメッセージ。 当初はウソだと思い、相手にもしなかったが、ある日、ビデオ通話をするこ…
異常【アノマリー】作者:エルヴェ ル テリエ早川書房Amazon一週間くらい前に、奇妙な津波があった。通常は、地震発生⇒津波注意報⇒津波発生という流れになるはずが、地震発生の形跡がなく、いきなり津波が観測されて、それをもとに注意報が出される事態となっ…
『福田村事件』は、公開初日に観に行こうかとも思っていた映画。 しかし、少しずつ行く機会を逃し、また、アトロクの映画評も聴いてしまったおかげで何となく観た気にもなったことに逆に不安を感じ、無理矢理予約を入れた。 結果として、今年ベスト1級の作品…
記憶書店 殺人者を待つ空間作者:Chung Myung Seob講談社Amazon韓国ミステリは、以前、キム・ヨンハ『殺人者の記憶法』を読んでおり、かなり良い印象を持っている。『殺人者の記憶法』は、いわゆる、「絶海の孤島」「雪山の山荘」的なミステリ…
彼女が知らない隣人たち (角川書店単行本)作者:あさの あつこKADOKAWAAmazon最近読んで最もガッカリした小説。 端的に言うと、「社会問題を他人事ではなく、自分事として捉えてほしいという主旨で書かれたにもかかわらず、それが失敗した小説」に思えた。現…
千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話作者:済東鉄腸左右社*Amazon 刺激的な本だった。 読後に、済東鉄腸さんは、一体どんな人なんだ、と検索して以下の記事を見つけた。 タイトルにもあ…
シャーロック・ホームズ対伊藤博文 (講談社文庫)作者:松岡圭祐講談社Amazonホームズがクトゥルーに立ち向かう『シャーロック・ホームズとシャドウウェルの影』を読み、さあ、聖典(コナン・ドイルによるホームズ本編)を読むぞ!と息巻いていたのが7月。 そ…
御伽の国のみくる作者:モモコグミカンパニー河出書房新社Amazon 2作目の小説『悪魔のコーラス』が話題になっていたことから作者に興味が湧き、1作目『御伽の国のみくる』を読んだ。 作者のモモコグミカンパニーさんは元BiSHのメンバー。 BiSHは色んなところ…
それでも女をやっていく作者:ひらりさワニブックスAmazonひらりささんは、オタク女子ユニット「劇団雌猫」を組んで、いくつか本を出しており、代表作『浪費図鑑』は昨年楽しく読んだ。 そんな彼女が30歳で一念発起し仕事をやめてイギリス大学院に留学し、フ…
もともと、映画『バービー』は、予告編を何度も観たが興味が湧かず、スルーするつもりでいた。 それが、いわゆる「バーベンハイマー」*1での炎上騒ぎで悪い意味で注目される一方で絶賛評も多いことから、少しずつ気になっていったが、決め手は、もう一つの炎…
今年のNHK[大河ドラマは『どうする家康』では、8/13放送回で小牧・長久手の戦いの前半部を放映。 ついに対決する徳川家康と豊臣秀吉。 その豊臣秀吉を演じているのがムロツヨシだ。これまでも怪演を見せていたムロツヨシの豊臣秀吉にさらに焦点が当たってい…
「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本 (角川書店単行本)作者:安田 峰俊KADOKAWAAmazon 安田峰俊さんは、Twitter上での、いわば「反」左翼的なスタンス(それは時に「右」的に映ることもある)に惹かれ、ずっと気になっていたが、最近のTwitter上でのお気に…
公開初日に観に行った! 大大大満足! 事前に予告編等は見ていなかったが、『わたしは最悪。』の脚本を手掛けたエスキル・フォクト監督の作品であることに加え、団地×超能力×少年少女というキーワードで既にノックアウト。さらには、「ある日本漫画」にイン…
あっという間に7月も下旬に入ってしまったので、2023年上半期に見た映画のベストを。 なお、去年は上半期、下半期とも振り返りを行っていましたので、今後も半年ごとに継続したい。 pocari.hatenablog.com pocari.hatenablog.com 上半期に見た映画は以下の通…
世界と私のAtоZ作者:竹田ダニエル講談社Amazon『世界と私のA to Z』。 話題になっていた本で、タイトルがキャッチー。Amazon評価も高い。 読み始めてみると、確かに今の若者、特に言葉としてよく聞く「Z世代」について触れるのにはちょうど良さそうな本だ…
シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 クトゥルー・ケースブック (ハヤカワ文庫FT)作者:ジェイムズ ラヴグローヴ早川書房Amazon先日、DCユニバースに疎い自分でも映画『フラッシュ』を楽しめたという話を書いたが、マーベルにしろ、スター・ウォーズに…
6/16(金)公開の2つの映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、『フラッシュ』は両方ともアメコミ原作ということで、公開前から何となく比較してしまっていたが、実際に見るとテーマの共通点・相違点がはっきりしており、両方見て良かった…
ペダリング・ハイ (小学館文庫)作者:高千穂遙小学館Amazon高千穂遙の自転車関連本は、ちょうど一年前の2022年7月に『ヒルクライマー』を読んだのが初めて。その後、新書で自身のロードバイク生活を語った『ヒルクライマー宣言』を読み、『自転車の教科書』を…