Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

自分の感覚がズレていますか?~七尾与史 『全裸刑事チャーリー』

全裸刑事チャーリー (宝島社文庫)作者:七尾与史宝島社Amazon 「全裸は究極のエコだ」時の総理大臣がヌーディスト法の施行を高らかに宣言してから一年。 人々の価値観は多様化し、日本は公共の場での全裸生活を認めることとなった。 そしてついに、警視庁に全…

問題はどこまで予習(復習)するべきか~鶴巻和哉監督『機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning』

『鋼鉄紅女』を読んで、ロボット熱が盛り上がっているところで、公開されたばかりのガンダム新作の入場者特典第2弾がすごい(設定原案を含んだ資料集)と聞き、それ目当てに観に行ってきました。最初に書きますが、自分はガンダム弱者で、40年くらい前に、初…

沢木耕太郎、大崎善生を読み返したくなる~森合正範『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』

怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ作者:森合正範講談社Amazon ナルバエス、ドネア、河野公平、田口良一……井上尚弥との一戦に己の人生を賭けて挑んだ男たちは、「モンスター」の拳に何を見たか? バンタム級で史上初となる4団体統一を果たし、スー…

ダリフラインスパイア中華ロボットSF~シーラン・ジェイ・ジャオ『鋼鉄紅女』

アニメ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(略称:ダリフラ)の影響を受けたロボット中華SFがある。 そんなことを聞いたら読むしかないじゃないか。 しかも、タイトル良し。 表紙良し。 そして、表紙をめくると現れる、九尾狐、朱雀、白虎、玄武のロボット…

タイトルに命懸けすぎでは?~下村敦史『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』

全員犯人、だけど被害者、しかも探偵 (幻冬舎単行本)作者:下村敦史幻冬舎Amazon ちょうど、社会派でも何でもないパズラー的ミステリが読みたいと思っていたタイミングで、少しイレギュラー感のあるこの本を読むことに。 帯を見て思い出したが、元々、ちょう…

「偽装」されたあらすじに隠されたメッセージ~下山進『がん征服』

がん征服作者:下山進新潮社Amazon普段読み慣れない医療ノンフィクションだが、読んでいて途中で、思っていたのと違う方向に進み、あれ?あれ?と思いながらラストに着地した。 なぜそのような状態が生じたのかと言えば、この本の購入者に向けた「あらすじ」…

樋口一葉の体で蘇った漱石先生を読めるのはここだけ!~零余子『夏目漱石ファンタジア』

今年で51歳になる*1が、これまで歴史を真面目に勉強してこなかった。 特に本好きの人と話していると 、それを痛感し、こんなに面白いジャンルを見逃して来たとは…という後悔がある。 それでも、逆に、数年前から継続的に見るようになったNHKの大河ドラマなど…

おれは植物をやめるぞ!ジョジョ!~末次健司『「植物」をやめた植物たち』

「植物」をやめた植物たち (たくさんのふしぎ傑作集)作者:末次 健司株式会社 福音館書店Amazonもともと、タイトルを見てビビビと来た本だったので、最初に、この本のタイトルにいかに惹きつけられたかを考えて、すぐに思い当たる。 「おれは人間をやめるぞ!…

有馬かなのB小町卒業公演に涙~スミス監督『【推しの子】 The Final Act』

年末年始はせっかくなので、原作結末を知らないために後回しにしていた「【推しの子】」の実写ドラマを追いかけて、原作ラストもカバーするという映画版を見ることにした。 12/30-31の帰省の新幹線往復+αでドラマ8話までを復習し、1/1に映画を観るという強…