読書
死者の告白 30人に憑依された女性の記録作者:奥野修司講談社Amazon よく聞く「震災の怪談」に興味があった。 それは、残された者がどう心を癒すのか、死者を弔うとはどういうことなのか、という心の問題として、災害とどう向き合うのかについて知りたかっ…
遥かなる甲子園 : 1 (アクションコミックス)作者:山本おさむ,戸部良也双葉社Amazon 前回読んだのは大学生くらいのときだと思う。 調布の図書館は漫画が充実していることもあり、借りて途中巻までは読んでいたが、何かのタイミングで最後まで読み終えること…
『エンドロールのつづき』 インドのチャイ売りの少年が映画監督の夢へ向かって走り出す姿を、同国出身のパン・ナリン監督自身の実話をもとに描いたヒューマンドラマ。 平日に映画を観に行く場合は、作品以上に上映開始・終了時間が重要で、3つくらいの候補の…
カズのまま死にたい (新潮新書)作者:三浦知良新潮社Amazon永遠のおでかけ(毎日文庫) (毎日文庫 ま 1-1)作者:益田 ミリ毎日新聞出版Amazon2つの本の共通点は何か。 両方の本のタイトルからイメージされる「死」という答えはハズレ。 正解は、どちらも著者の48…
親権と子ども (岩波新書)作者:榊原 富士子,池田 清貴岩波書店Amazonいわゆる「共同親権」の問題に関心があり読んでみた一冊。 元々は将棋の橋本崇載八段(ハッシーと言われて親しまれていた)が、2021年の4月に突然、引退を発表し、その後、原因が「子どもの…
JK、インドで常識ぶっ壊される作者:熊谷はるか河出書房新社Amazon 朝日新聞元旦紙面での川崎レナさん 我が家は新聞を購読していないが、1月1日は、いつもと同じ価格で拡大版が買えてお得なので、朝日新聞を購入した。 11面のオピニオン欄は「『覚悟』の時…
2022年上半期はまとめをしたので下半期もまとめをしようと思います。 下半期は大きな傾向がいくつかあります。 自転車関連マイブーム(本) 引き続きフェミニズム関連(本) ドラマを多めに見た 映画をたくさん見た pocari.hatenablog.com 自転車関連ベスト …
「感動ポルノ」と向き合う: 障害者像にひそむ差別と排除 (岩波ブックレット NO. 1058)作者:好井 裕明岩波書店Amazon 今回読んだ好井裕明さんのブックレットは、タイトルに書かれている『「感動ポルノ」と向き合う』という主旨が独特で、そこに自分はとても共…
日本の中絶 (ちくま新書 1677)作者:塚原 久美筑摩書房Amazon小説『僕の狂ったフェミ彼女』で取り上げられていて気になった「中絶」の問題。 もう少ししっかり勉強したいと思って読んでみたのが、今年8月に出た本書。目次は以下の通り。 第1章 なぜ中絶はタ…
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)作者:深緑野分筑摩書房Amazon 1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食…
縛られる日本人 人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか (中公新書)作者:メアリー・C・ブリントン中央公論新社Amazon 人口減少が進む日本。なぜ出生率も幸福度も低いのか。日本、アメリカ、スウェーデンで子育て世代にインタビュー調査を行いデータとあわ…
息を飲むような雄大な眺め、漆黒の闇に浮かぶ仲間の灯、烈風に晒され追いつめられる自分、悲鳴をあげる身体、絶望的な距離感、何度も折れそうになる自分の心、目指すのはあの雲の彼方。日本海/富山湾から太平洋/駿河湾までその距離およそ415Km。北アルプスか…
心にナイフをしのばせて (文春文庫)作者:奥野 修司文藝春秋Amazonこの表紙とタイトルが ずっと以前から気になっていた本。その印象から小説だと思い込んでおり、改めて手に取って初めて、ルポルタージュだと気がついた。 ましてや題材としている事件が自分の…
medium 霊媒探偵城塚翡翠 (講談社文庫)作者:相沢沙呼講談社Amazonもちろん書店で何度も見かけていたし、ミステリとしての評判も聞いていたので、その名は知っていましたが、清原果耶が主演、と聞き、ドラマを見てみよう、それなら小説も読んでおこう!…
差別は思いやりでは解決しない ジェンダーやLGBTQから考える (集英社新書)作者:神谷悠一集英社Amazon 「ジェンダー平等」がSDGsの目標に掲げられる現在、大学では関連の授業に人気が集中し企業では研修が盛んに行われているテーマであるにもかかわ…
SNS別 最新 著作権入門: 「これって違法!?」の心配が消える ITリテラシーを高める基礎知識作者:井上 拓誠文堂新光社Amazon著作権の話は定期的に最新情報を確認しておきたいと思っている。「違反しているけど黙認されている場合」というグレーゾーンが非常に…
図説 アルプスの少女ハイジ 増補改訂版: ハイジでよみとく19世紀スイス (ふくろうの本)作者:ちば かおり,川島 隆河出書房新社Amazon読みたくなる本(小説以外)の条件として、自分は以前から「読みやすい・読み通せそう」という点を重視していた。 さらに最…
バトルマンガで歴史が超わかる本作者:茂木誠,大久保ヤマト飛鳥新社Amazon歴史と漫画の相性が良いことはよく知っている。駿台予備校世界史講師による本ということもあり、これはかなり期待できるのではないか? と思っていたが、店頭で本を実際に見ての印象は…
僕の狂ったフェミ彼女作者:ミン・ジヒョンイースト・プレスAmazon 以前「狂ったフェミ彼女」の本を読んだことがある。 pocari.hatenablog.com この本の衝撃(というか罵倒され体験)は自分にとって過去最大級に大きく、そのせいもあり、「叱られ好きな自分」…
こちらあみ子 (ちくま文庫)作者:今村夏子筑摩書房Amazon今村夏子『星の子』のラストは、自分にとって衝撃だった。物語のセオリー通りに進まない話だったからだ。 pocari.hatenablog.com しかし、その後、映画を観て改めて考え、読者の押し付けた幸福の物語に…
増補新版 にっぽんのかわいいタイル 昭和レトロ・モザイクタイル篇作者:加藤郁美国書刊行会Amazon 今年の夏休みは、岐阜への帰省にかこつけて、あいちトリエンナーレ(今年から名称が変わり、「トリエンナーレ」が取れて「あいち2022」となった)に行ってき…
13歳からのイスラーム作者:長沢 栄治かもがわ出版Amazonイスラームについての本を読むのは久しぶりだ。 過去のブログを振り返ると、5年前くらいに少し固めて読み、それ以降は、本としてはあまり読んでいなかった。 ということもあり、今回、リハビリがてら易…
学ラン姿で釣りをするのん そのビジュアルに一目惚れして待ちに待った映画『さかなのこ』*1。 まずは原作で予習を済ませて万全の体勢で迎え撃った。 さかなクン『さかなクンの一魚一会』 さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~作者:さかなクン講談…
ソ連兵へ差し出された娘たち (単行本)作者:平井 美帆集英社Amazon戦争の話というと、1945年8月15日を機に終わり、その後は混乱期のどん底から立ち上がっていく。そのイメージが強かった。*1 しかし、ラジオでフィリピンや中国の残留孤児について扱った映画『…
東京もっこり散歩──街中のふくらみを愉しむ作者:いからし ひろき自由国民社Amazon東京 街なか山さんぽ 地形と歴史を楽しむ超低山ガイド作者:江戸楽編集部メイツ出版Amazon 丘を越え、行こうよ。古墳、築山、富士塚…もっこりでほっこり。 日本の国土は山地が…
生皮 あるセクシャルハラスメントの光景作者:井上 荒野朝日新聞出版Amazon 小説講座の人気講師がセクハラで告発された。なぜセクハラは起きたのか? 家族たちは事件をいかに受け止めるのか? 被害者の傷は癒えるのか? 被害者と加害者、その家族、受講者たち…
今村夏子の作品には前々から興味があった。 特に、豊崎由美×大森望の「文学賞メッタ斬り」の芥川賞予想の企画(ラジオ)で、候補作に入るたび、豊崎由美の「読む楽しさ」がこぼれ落ちるような評が尋常でなかったことが大きい。 さらに、枡野浩一×古泉智浩のp…
唯が行く! ー当事者研究とオープンダイアローグ奮闘記作者:横道 誠金剛出版Amazon 双極性障害の家族を持ち自身も発症の疑いを持つ大学生、唯(ゆい)は大学のサークル活動を起点として自助グループの運営にかかわるようになり、当事者研究とオープンダイアロー…
(前回までのあらすじ) 高千穂遙『ヒルクライマー』は、小説ながらも、素人が自転車にのめり込む様子が描かれており、舞台が生活圏に近いことや、普段ランニングをしていて目につく自転車乗りの人たちの生態がよくわかる内容だった。 高千穂さんがロードバ…
映画は「これが観に行きたい!」と決まっている時もあるが稀で、今回も 8/1の午後にiPhoneのバッテリー交換に行く、iPhonを預けている時間に見られる映画があれば… 場所はAppleストアのある有楽町か新宿 映画コムで気になる映画を探して、上映時間を確認して…