Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

読んで色々と考えた~野田聖子『私は、産みたい』『生まれた命にありがとう』

野田聖子さんの本を読んだのは中島岳志さんが著書『自民党 価値とリスクのマトリクス』で『私は、産みたい』を「名著」としていたからで、総裁選に名乗り出た4人の中では(マトリクス的に)最も共感できる場所に位置する野田聖子という政治家に興味があった…

自民党総裁選の勉強に~河野太郎『日本を前に進める』×中島岳志『自民党 価値とリスクのマトリクス』

河野太郎が自民党総裁選に立候補した。 news.yahoo.co.jpはっきり言って、臨時国会召集を拒否していて総裁選モードになっている自民党全体がダメなのだが、この総裁選で選ばれた人が次の日本の首相になると考えると無視はできない。 さて、河野太郎といえば…

人生はあっという間~シャマラン『オールド』×大江千里『マンハッタンに陽はまた昇る』

M・ナイト・シャマラン『オールド』 www.youtube.com 「シックス・センス」「スプリット」のM・ナイト・シャマラン監督が、異常なスピードで時間が流れ、急速に年老いていくという不可解な現象に見舞われた一家の恐怖とサバイバルを描いたスリラー。 この映…

親切設計なのに分からなかった自分に鉄槌~竹宮ゆゆこ『砕け散るところを見せてあげる』

砕け散るところを見せてあげる(新潮文庫nex)作者:竹宮 ゆゆこ新潮社Amazon 読み終えて、あれ?思っていたのと少し違ったと思った。 というのは、ラノベをあまり読まないので、そこに、漠然と野崎まど的な「ぽかーん感」を期待していたところがあるからだ。…

太田雄貴「校長先生」発言は笑えない~小沢牧子・長谷川孝『「心のノート」を読み解く』

『心のノート』を読み解く作者:牧子, 小沢,孝, 長谷川かもがわ出版Amazonこの本は、2002年に文科省が全国の小中学校に「心のノート」を配布したことに対して、その問題点を、小沢牧子さん(1937生まれ)、長谷川孝さん(1941生まれ)、北村小夜さん(1925生…

人類の起源に挑むバイオレンス・アクション~佐藤究『Ank』

最近、上野動物園のパンダに関するニュースがあった。 野動物園(東京都台東区)は19日、雌のジャイアントパンダ「シャンシャン」(4歳)が展示室のアクリル板を壊したと公式ツイッターで明らかにした。影響で一般公開が約40分間中断した。シャンシャン…

ぼくのかんがえたさいきょうの「竜そば」ラスト~細田守監督『竜とそばかすの姫』

竜とそばかすの姫 オリジナル・サウンドトラック (通常盤)アーティスト:ヴァリアスアリオラジャパンAmazon今回ほど予習せずに見に行ったのも久しぶり。難しい話だったら困るからと、映画館の席に座ってから公式HPであらすじを確認したくらいだ。 というのも…

「論破」と「人権」~DaiGo氏の差別発言について

メンタリストDaiGoが自身のYouTubeチャンネルでホームレスや生活保護受給者を差別する発言をして問題となりました。 先日の小山田圭吾の騒動で勉強になったのは、関連団体の抗議文を読むことが自分にとって頭の整理になるということでした。その分野の専門家…

個性を尊重しているようでいて他人の意見を切り捨てる「人それぞれ」論

今回は最近読んだ3冊を振り返りながら、対話について学んだことを整理したい。 富永京子『みんなの「わがまま」入門』 みんなの「わがまま」入門作者:富永京子左右社Amazon納得いかない政治が続くことから、最近でこそ、ネット署名の活動に参加したりするこ…

佐藤究『QJKJQ』、藤本タツキ『ルックバック』と星野智幸

QJKJQ (講談社文庫)作者:佐藤究講談社Amazonついこの前の直木賞を佐藤究が取り、受賞作の『テスカトリポカ』と同様に気になっていた江戸川乱歩賞受賞作『QJKJQ』を読んでみた。 タイトルに何となく(大好きな)メフィスト賞作品っぽさを感じたのが惹か…

小山田圭吾のいじめ問題についての個人的反省とポジ出し

昨日は、東京オリンピックの開会式があった。その直前は怒涛の一週間だったことは、あとになって忘れてしまうかもしれないので、簡単にメモをしておく。 7月14日:東京オリンピック・パラリンピック開会式の楽曲制作メンバー発表。小山田圭吾が入っているこ…

尾身語録に自らを省みたい~河合香織『分水嶺 ドキュメントコロナ対策専門家会議』

分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議作者:河合 香織岩波書店Amazon 大好きな河合香織さんの本ではあるが、全体としては読みにくいと感じた。ひとつ個人的なことを言えば、「心を亡くす」タイプの多忙で、集中して本が読めない日が続いているということ…

時間泥棒が多すぎる(笑)~吉川トリコ『マリー・アントワネットの日記』

マリー・アントワネットの日記 Rose (新潮文庫nex)作者:トリコ, 吉川新潮社Amazonマリー・アントワネットの日記 Bleu(新潮文庫)作者:吉川トリコ新潮社Amazon『ベルサイユのばら』経由で一番気になった小説。 吉川トリコは「⼥による⼥のためのR-18⽂学…

「食えない羊羹」としてのスマホ~高橋久美子『旅を栖(すみか)とす』

旅を栖とす作者:高橋 久美子KADOKAWAAmazon 5/12のアトロク(ラジオ番組アフター6ジャンクション)のサウンドスケープ特集がよかった。 これまで、少し足を伸ばせば簡単に行けたあの街ですら、今は、はるか遠い星のよう。だったら、いつかの旅行で訪れたあ…

肖像画って面白い~佐藤賢一『フランス革命の肖像』

<ヴィジュアル版> フランス革命の肖像 (集英社新書)作者:佐藤 賢一集英社Amazon 『ベルサイユのばら』と『大奥』を読んで本当に良かったのは、歴史に興味が沸いたこと。 これまで、フランス革命に対する自分の認識は「非難爆発(1789)フランス革命」という…

「日本の恥」としての入管~織田朝日『となりの難民』

となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS作者:織田 朝日発売日: 2019/11/01メディア: 単行本 「難民」という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか? 外国で住む場所がなくなった人? それとも、どこか遠い国にあるキャンプの人たち? じつは、日本…

『大奥』と似てるとこ・似てないとこ~池田理代子『ベルサイユのばら』(3)~(5)

ベルサイユのばら 3 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代子発売日: 1994/12/01メディア: 文庫ベルサイユのばら 4 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代子発売日: 1994/12/01メディア: 文庫ベルサイユのばら 5 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代…

さらけ出すコミュニケーション~清田隆之『さよなら、俺たち』

さよなら、俺たち作者:清田隆之発売日: 2020/07/02メディア: Kindle版読まなくちゃとずっと思っていた清田隆之さんの著作を初めて読みました。 男性の書くフェミニズムの本ということで、女性が書くそれよりも、さらに気の引き締まる思いでページをめくりま…

逃げ道が無い「運命」と幸せ~『掏摸』×『メランコリック』

中村文則『掏摸』 掏摸 (河出文庫)作者:中村文則発売日: 2013/06/14メディア: Kindle版 東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。「これから三…

どの作品にもつい桜小路君を探してしまう~池田理代子『ベルサイユのばら』(1)(2)

ベルサイユのばら 1 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代子発売日: 1994/12/01メディア: 文庫ベルサイユのばら 2 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代子発売日: 1994/12/01メディア: 文庫フランス革命について勉強するために…という名目で読み始めた…

「電波停止発言」と番組制作~永井愛『ザ・空気』

ザ・空気作者:永井 愛発売日: 2018/07/25メディア: 単行本 人気報道番組の放送数時間前、ある特集の内容について局の上層部から突然の内容変更を命じられ、現場は大混乱に陥る。 編集長の今森やキャスターの来宮は抵抗するが、局内の“空気"は徐々に変わって…

迎撃!田島貴男DCvol.4『ムーンストーン』『踊る太陽』『街男 街女』編

記事のタイトルは「田島貴男DC」としていますが、「田島貴男のHome Studio Concert ~ディスコグラフィー・コンサート」が正式名称。 買い忘れている人は早くチケットを買いましょう。それにしても『街男 街女』と『東京 飛行』は2枚で1セットだから絶対に分…

田島貴男 「弾き語りツアー2021」東京国際フォーラム (配信)の感想

弾き語りツアーは時間を遅らせて家で視聴。最高でした! フレキシブルな形で見ることが出来るのは嬉しいけど、本当は会場に行きたかったなあ。 セットリスト 1.I WISH 2.ラヴァーマン 3.春のラブバラッド (MC:久しぶりのホールでゼロから頑張る/このあと…

シンエヴァあれこれと「労働」

映画を観てから1週間。 前回書いた「感想」に足すべきものが増えたので改めて書いてみた。 何となく自分の気持ちとも折り合いをつけられた気がする。 「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」(2021/3/22) www.nhk-ondemand.jpシンエヴァの制…

感想『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』+『シン・エヴァンゲリオン劇場版 冒頭12分10秒10コマ』メディア: Prime Video 考察を色々と読みだしたら止まらなくなってきたのでシンプルに感想を。 →続きはこちら。 pocari.hatenablog.com メカ 冒頭のパリから良…

それでも野外排せつを続ける理由~佐藤大介『13億人のトイレ -下から見た経済大国インド』

13億人のトイレ 下から見た経済大国インド (角川新書)作者:佐藤 大介発売日: 2020/08/10メディア: Kindle版 つい先日もテレビで「クアッド」と呼ばれる4か国のニュースがあった。 日本とアメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組みによる初めての首脳…

迎撃!田島貴男DCvol.3『ELEVEN GRAFFITI』『L』『ビッグクランチ』編

記事のタイトルは「田島貴男DC」としていますが、「田島貴男のHome Studio Concert ~ディスコグラフィー・コンサート」が正式名称。 買い忘れている人は早くチケットを買いましょう ■チケットページURL: https://originallove.moala.live/products/hsc-4-st …

推しは命にかかわるか~宇佐美りん『推し、燃ゆ』

推し、燃ゆ作者:宇佐見りん発売日: 2020/09/10メディア: Kindle版 推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。何ひとつわかっていないにもかかわらず、それは一晩で急速に炎上した。 そんな冒頭から始まる第164回芥川賞受賞作…

新聞記者の仕事とは ~三浦英之『南三陸日記』

南三陸日記 (集英社文庫)作者:三浦 英之発売日: 2019/02/20メディア: 文庫 住んで、泣いて、記録した。東日本大震災直後に受けた内示の転勤先は宮城県南三陸町。瓦礫に埋もれた被災地でともに過ごしながら、人々の心の揺れを取材し続け、朝日新聞に連載され…

竜児とマヤとキャンディ~いがらし ゆみこ・水木 杏子『キャンディ・キャンディ』

キャンディ・キャンディ (8) 講談社コミックスなかよし (315巻)作者:ゆみこ, いがらし,杏子, 水木発売日: 1978/11/22メディア: コミック 『キャンディ・キャンディ』が届くまで ご存知の方も多いと思うが、『キャンディ・キャンディ』は、日本どころか世界で…