Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

もしトラ×『シビル・ウォー』×ガザ攻撃1年(Nスぺ)×ドイツの分断(マライさん記事)

ボディ・ブローのように効いてくる、という言い方があるが、映画『シビル・ウォー』は、まさにそんな感じで、ダメージが増していくばかり。 そもそも映画と非常に関わりの深いアメリカ大統領選に暗雲が立ち込めているように見える。 ハリスが辛勝(トランプ…

あまりに衝撃的なラスト~高橋久美子『その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱』

その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱作者:高橋久美子ミシマ社Amazon先日、最新作『わたしの農継ぎ』を新聞書評欄で知り、高橋久美子(元チャットモンチー)は、絵本書いたり小説書いたりしていたと思ったら、今は農業をやっているんだ!と驚いた。…

ナオコーラさんが透けすぎる小説~山崎ナオコーラ『あきらめる』

あきらめる作者:山崎 ナオコーラ小学館Amazon山崎ナオコーラさんの本は比較的多く読んでいて、前作『ミライの源氏物語』にも共感し、出演したラジオ番組も楽しく聴いたので、親しみのある作家と言える。 文学の力を信じていて、文学を通じて世界にモノ申した…

分断と対話~アレックス・ガーランド監督『シビル・ウォー』×橘玲『世界はなぜ地獄になるのか』

アレックス・ガーランド監督『シビル・ウォー』 不思議な映画体験だった。 アメリカの内戦の話だが、結局、内戦が起きた背景や具体的な対立は描かれない。 あるのは、分断と戦争。 そして、音、音、音。 静寂と爆音(本当に爆音。嫌になる爆音)。 不協和音…

怖くないのは何故だろう?~澤村伊智『邪教の子』

邪教の子 (文春e-book)作者:澤村 伊智文藝春秋Amazon既読が2作品で偉そうなことは言えないが、自分にとって澤村伊智は高い信頼を置いている「鉄板」のエンタメ作家。 今回も、タイトルのイメージから想像していた通りのホラー要素に、いかにも澤村伊智らしい…