Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「坂馬鹿」たちに鼓舞される小説~高千穂遙『ヒルクライマー』

ヒルクライマー (小学館文庫)作者:高千穂遙小学館Amazon近藤史恵さんの一連の自転車ロードレース小説の関連でAmazonのオススメにこの本が出てきたときは、「同姓同名の人がいるんだな、しかも作家で…」と思ってしまった。 しかし、確認すると「クラッシャー…

ツール・ド・フランス2022後半×近藤史恵『スティグマータ』

news.jsports.co.jp さて、終わってみると、1週目のポガチャルの優勢は、2週目以降、ユンボ・ヴィスマの総合力によって抑えられ、マイヨ・ジョーヌと山岳賞はヴィンゲゴー、マイヨ・ヴェールはファンアールトが取り、つまり4賞*1のうち3賞をユンボ・ヴィスマ…

行きたい!が増える~岡部敬史、山出高士『見つける東京』

見つける東京作者:岡部 敬史東京書籍Amazon岡部敬史・文、山出高士・写真による「目でみることば」シリーズは、手に取りやすいサイズ、写真中心で次々とページをめくりたくなる本だが、この本は、その魅力をさらに倍化した。 構成は、同一キーワードに関する…

栗村修さんの名解説とともに~近藤史恵『サヴァイヴ』

ツール・ド・フランス(ジロ・デ・イタリア)については、Amazonプライム経由で見られるデイリーハイライトと関連番組を見ているが、その時に出てくる解説でも特に好きなのは、栗村修さん。 元選手とは思えない軽々しいトークとダジャレが素晴らしい。 どう…

ツール・ド・フランス2022前半×近藤史恵『エデン』

エデン (新潮文庫)作者:近藤 史恵新潮社AmazonAmazonプライムのJSPORTS(お試し期間無料)にも登録し、ジロ・デ・イタリアの振り返りとツール・ド・フランスの追っかけを始めた。 ジロ・デ・イタリアも約3週間かかるレースなので、休息日にまとめて7~9レー…

ツール・ド・フランスを迎撃~近藤史恵『サクリファイス』×映画『パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト』

今年は、色んなタイミングが重なり、ツール・ド・フランスを見てみようということになった。 ロードレースの小説の傑作と言われる『サクリファイス』のシリーズを、これを機会に読み直してみよう、そういう流れになるのは当然のことだ。 ということで、ツー…

みんな最悪なんだからみっともなく生きていい~ヨアキム・トリアー監督『わたしは最悪。』

水曜日の仕事終わりに時間が取れそうと思ったとき、ド派手なエンタメや主張のはっきりした作品「ではない」作品を観ようと思って選択した映画。 で、実際、観に行って良かった。 こういう風に、何だかわからないものを観に行って、何だかわからない感じで帰…

2022年上半期の振り返り(鎌倉関連、SF、映画、そのほかのベスト)

5月以降は特に定期的に更新が出来たこともあり、上半期振り返りをしようと思い立ちました。 上半期は大きな傾向が3点あり、この3点に沿ってそれぞれのベストを挙げます。 『鎌倉殿の13人』関連の、源平合戦~鎌倉時代の本が多い なぜか珍しくSFが多い 映画…

悪人が裁かれない嫌な事件~『そして陰謀が教授を潰した ~青山学院春木教授事件 四十五年目の真実~』

そして陰謀が教授を潰した ~青山学院春木教授事件 四十五年目の真実~ (小学館文庫)作者:早瀬圭一小学館Amazon 教授による教え子強姦事件は有罪か、無実か。本作は、1973年に青山学院で起きた「教授による女子学生強姦事件」の真相を、 元新聞記者である著…