Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

難解なルール or die ~クリストファー・ノーラン監督『インセプション』

インセプション (字幕版)発売日: 2013/11/26メディア: Prime Video 『テネット』公開に合わせてということか、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』が4DXで劇場公開中ということで、親子で観てきた。 一度目に観た記憶 それにしても、一度見て…

支える・支えられる~浅生鴨『伴走者』

伴走者 (講談社文庫)作者:浅生 鴨発売日: 2020/02/14メディア: 文庫 伴走者とは、視覚障害者と共に走るランナーである。「速いが勝てない」と言われ続けた淡島は、サッカーのスター選手として活躍しながら事故で視力を失った内田の伴走者として、パラリンピ…

コロナ禍で読む感染症漫画~朱戸アオ『リウーを待ちながら』

リウーを待ちながら(1) (イブニングコミックス)作者:朱戸アオ発売日: 2017/06/23メディア: Kindle版 富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病…

「諸説」として扱ってはならない~ 加藤直樹『TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』

TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち作者:加藤直樹発売日: 2019/07/05メディア: 単行本(ソフトカバー)昨年の今頃、加藤直樹『九月、東京の路上で』を読み、強く心に残った一冊となったので、少し前(昨年6月)に出たばかりのこの本…

似てますよね~『見えない目撃者』VS『アンナチュラル』

見えない目撃者 見えない目撃者発売日: 2020/01/18メディア: Prime Video 警察官として将来を有望視されながら、自らの過失による事故で視力も大切な弟も失い、失意の底にあった浜中なつめ(吉岡里帆)は、ある夜、車の接触事故に遭遇。なつめは慌てて立ち去…

「かわいそう」には「感謝」が足りない~内澤旬子『飼い喰い 三匹の豚とわたし』

飼い喰い――三匹の豚とわたし作者:内澤 旬子発売日: 2012/02/23メディア: 単行本 内澤旬子さんを知ったのは、『ストーカーとの七〇〇日戦争』が最初。この内容について、荻上チキSession22に出演しているのも聴いて、ストーカーの実体験を本にしてしまうバイ…

「元気をもらう」は実在する~城定秀夫監督『アルプススタンドのはしの方』

映画館に映画を見に行ったのは、4/1に『パラサイト』(2度目)を見て以来でしたが、市松模様の座席に戸惑いながらも、そして、現実には行われていない夏の高校野球選手権大会を羨ましく思いながらも、やっぱり映画は楽しい!と思える素晴らしい映画体験でし…

1粒で2度、どころか無限に楽しめる~RYUTist『ファルセット』

ファルセットアーティスト:RYUTist発売日: 2020/07/14メディア: CDここ最近、気が付けばずっと聴いているRYUTist『ファルセット』についてアレコレ書いてみた。 RYUTist『ファルセット』を買うまで アイドルをしっかり聴いたのはモーニング娘。の「黄金の9人…

知識より態度を~上野千鶴子×田房永子『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください! 』

上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!作者:上野 千鶴子,田房 永子発売日: 2020/01/12メディア: 単行本(ソフトカバー) 田房永子さんについて 女性の生きづらさ(あえて「フェミニズム」という言葉を使わない)についての本を読み始めたの…

死にたい二人を救ったもの~映画『聲の形』

映画『聲の形』Blu-ray 初回限定版発売日: 2017/05/17メディア: Blu-ray 『聲の形』には、もともと漫画連載時から興味があったので、何となくの筋は知っていたが、実際に映画を観てみると、「あらすじ」を超える圧倒的なものを持った作品になっていた。 ここ…

四半世紀ぶりに再読したホラー短編集~井上雅彦『異形博覧会』

異形博覧会 (角川ホラー文庫―怪奇幻想短編集)作者:雅彦, 井上メディア: 文庫 まさに四半世紀ぶりくらいに読む短編集。 高校生の頃だったか、ミステリーゾーン(トワイライトゾーン)の小説版をよく読んでいて、その頃のことも思い出した。『異形博覧会』が刊…