Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

21世紀の「そして誰もいなくなった」~市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』

ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)作者: 市川憂人出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/06/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイ…

大量廃棄、大量消費を支える「私たち」~仲村和代、藤田さつき『大量廃棄社会』

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実 (光文社新書)作者: 仲村和代,藤田さつき出版社/メーカー: 光文社発売日: 2019/04/16メディア: 新書この商品を含むブログを見る この本では、主に日本の問題として、アパレル業界とコンビニ・食品業界における…

吉岡里帆主演映画のノベライズ~豊田美加『見えない目撃者』

見えない目撃者 (小学館文庫)作者: 豊田美加出版社/メーカー: 小学館発売日: 2019/09/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 視力を失った、そして事件を”目撃”した。 警察学校の卒業式の夜、事故で視力と最愛の弟を失った浜中なつめ。人生に絶望する…

作品の意図を理解するということ~『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』VS『アス』

9月に入って2本の映画を観た。 クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告 8月30日(金)公開 いつもはストーリーには出来るだけ触れないでおくのがセオ…

重い内容の漢字二文字タイトル対決!〜伊岡瞬『代償』VS葉真中顕『絶叫』

期せずして漢字二字タイトルのミステリーを2冊続けて読んだ。どちらもAmazonでのレビュー数が80以上の人気作。 共通点はタイトルとレビュー数だけでなく、2冊とも、主人公の子供時代から物語が始まり、その半生を追うことで、特殊な人間関係や、事件が起きて…

知ってたつもりで全く知らなかった〜加藤直樹『九月、東京の路上で』

九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響作者: 加藤直樹出版社/メーカー: ころから発売日: 2014/03/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (48件) を見る 話題になっていたので、この本のことは何年も前から知っていた。が…

バカミス欲が満たされました〜柾木政宗『 NO推理、NO探偵?』

ひとつ前の『パワー』は、苦手な翻訳小説で、やや社会的なエッセンスを含む内容。 こういうのを読むと、反動で、「もっと、ベタに日本の小説で、もっとバカなお手軽小説が読みたい!」という欲が湧き上がってくる。 先日、この思いから手に取ったメフィスト…