あっという間に7月も下旬に入ってしまったので、2023年上半期に見た映画のベストを。
なお、去年は上半期、下半期とも振り返りを行っていましたので、今後も半年ごとに継続したい。
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上半期に見た映画は以下の通り。
1月:『かがみの孤城』『そばかす』『エンドロールのつづき』
2月:『エゴイスト』
3月:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『BLUE GIANT』『シン・仮面ライダー』
4月:『グリッドマン・ユニバース』『聖地には蜘蛛が巣を張る』『サーチ2』『名探偵コナン 黒鉄の魚影』
5月:(なし)
6月:『ミーガン』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』『ザ・フラッシュ』+『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
ということで7/1に観たインディ・ジョーンズまで含めると15本となる。
感想を書いていないものが多いので、それについて一言感想。
- エゴイスト:途中から大きく物語の質が変わるが、前後半どちらも良かった。実質的には、鈴木亮平、宮沢氷魚に加えて阿川佐和子、3人の話ということになるが、彼らの心の揺れ動きにドキドキした。テーマの普遍性だけでなく、人の嫌な面を見せつけられる映画でもあり、大満足。あれ?これが上半期ベストなのでは?
- BLUE GIANT:アニメーションとしての出来は微妙。音楽アニメなのに、絵と音のシンクロを意識しない序盤の絵に大丈夫か?と思ったが、Dolby Atomosで観たこともあり、音楽に惹きつけられた。物語の展開と楽曲のつながりが自然で、ピアノ×サックス×ドラムという自分には馴染みのない編成もあって、ずっと集中して聴いていられた。エンドロールで初めて、メインの3人の声が山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音であることを知り衝撃を受けた。なお、石若駿を初めて知り、意識した作品。サントラも買いました。
- シン・仮面ライダー:浜辺美波の美しさがすべてをカバーした。シン・ウルトラマンでも、チープな映像に力を入れるのをやめてほしいなと思っていたが、それが加速。盛り上がるシーンで「せまるーショッカー」が流れるのは、思い入れのない自分からすれば、はっきり言って興醒め。でも、ハチオーグ(西野七瀬)、チョウオーグ(森山未來)の怪人+基地のデザインは良かったです。
- グリッドマン・ユニバース:これは最高の映画でした。グリッドマンとダイナゼノンを全話見て、補完してほしかった部分が「全部乗せ」。実は、こちらも仮面ライダーと同様に、特撮の「電光超人グリッドマン」のテーマソングが流れるのだが、気にならず。というか、アニメグリッドマンが、原作をしっかりなぞっていることを知って、1993年作品としての先進性に驚く。いや、これが上半期ベストでもいい。
- サーチ2:母娘だが、娘が母を救う話なので、エブエブとは反対。母が失踪したコロンビアが探索先になっていることもあり、途中まではコロンビアを旅行している気分に。終盤のツイストの連続と、パソコンやスマホの画面上で話が展開していく様子が心地よかった。実は『サーチ』を観ていないのでチェックしないと!
- インディ・ジョーンズと運命のダイヤル:冒頭シーンに驚き、そのままジョン・ウィリアムズの音楽に乗りつつ、アクション・シーンの連続に、最後の意外な展開まで大興奮で見てしまった。確かに、インディの相棒役であるヘレナ・ショーのキャラクター(考古学者の父親に似ず、考古資料について知識はあっても愛情はなく、手に入れれば売りさばこうとする)に難があり、共感できない部分があるが、馬鹿になってすべてを受け入れて映画を観ていたので、あまりマイナスにはならず。(演じているフィービー・ウォーラー=ブリッジが脚本家やテレビプロデューサーという肩書も持っていることに驚く)
総括すると、『ザ・フラッシュ』『アクロス・ザ・スパイダーバース』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』とマルチバースを題材にした作品が目立った。この中で、スパイダーバースを除けば最も期待していたエブエブのラストについて自分は不満を持っていて、先日も友人に持論を披露したばかり。ただ、先日読んだ竹田ダニエルさんの記事を読むと、いい作品だったのかも…という気も。
- 終わらせ方への違和感と「犯人の動機を報じるな」問題~ダニエルズ脚本・監督『EVERYTHING EVRYWHERE ALL AT ONCE』 - Yondaful Days!
- 君たちはどう生きるか~竹田ダニエル『世界と私のA to Z』 - Yondaful Days!
そのような中、もう一つ別の切り口で考えて、上半期ベストを考えたい。
それは予告編。
上半期に見た作品は、予告編と本編について考えることが多かった。
その代表が『M3GAN』。本編は面白かったし好きな映画だが、予告編が魅力的過ぎてそこのギャップが少なかった。ベストシーンを予告編で入れてしまうのも少し考えものだと思った。
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それと正反対の事例が『インディ・ジョーンズ』。予告編が全く面白そうに見えない。映画館で見かけるたびに「なぜいま改めてインディ・ジョーンズ?」と感じ続けたので、本編とのギャップが大きかった。(本予告は少しは良くなっていたが、映画館で何度も観たのは以下に示す特報版)
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その意味では、ベスト候補のエブエブ、スパイダイーバースはどちらも面白そうな予告編と、それを上回る本編の組合せで、納得と安心感。
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そんな中、今季ベストの予告編と自分が考えるのは、『怪物』の特報予告編(30秒予告)。不穏な音楽とともに「かいぶつだーれだ」で押し切る30秒。怖そうであり、楽しそうでもある。「かいぶつだーれだ」が、結果として本編を観る際の補助線にもなっており上手い。
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ということで、予告編以外の全体を振り返っても、上半期一番良かった映画は『怪物』でしょうか。坂本龍一の音楽も良かったし、一回見ただけでは(大体わかるけど)分からない部分が残る、という「分からなさバランス」もちょうど良い。キャストも印象に残った。
『アクロス・ザ・スパイダーバース』は今季最大の期待度で、それを上回る面白さだったけど、そこまで含めて予想通りだったので次点。
もうひとつ次点として挙げるなら『エゴイスト』でしょうか。もう一度観てしっかり考えたい。
感想を一番しっかり書いた作品は『エブエブ』でした。
『怪物』は映画未収録シーンも含むシナリオブックで復習をしたいと思いつつ、未入手。
下半期はすでに一本観ています。
色々と書きたくても書けない『君たちはどう生きるか』*1。
*1:書けないのは寝てしまったから