Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

(しつこいが)新たな疑問

しかし、タニタの体重計が狂っていないとは決め付けられない。価格ドットコムの掲示板では、「タニタの方がオムロンよりも軽めに出る」*1なんて話が、まことしやかに書かれていたが、新品を使っても測定値にブレが生じるなら何を信じればいいのか。
つまり、どの体重計も信じられないなら「正確な体重はどうすれば量れるか」という問題が発生する。(逆に言えば、足元にある体重計が、正確なのか狂っているのかを見分けるにはどうすればいいのか、という問題)
いや、体重計で量るのは絶対値というよりは「日々の変動量」だ、ということはわかっている。しかし、BMIも体脂肪も、その「絶対値」を元に算定するものなので、あまりいい加減な数値では困るのだ。

一応、家にあるものを利用した思いつくものとしては、20リットルの灯油ポリタンクに水を入れ(容器の重さを差し引いた上で)、それが20kgあるかどうか確認する、という方法があるが、20kg前後のレンジで正確な値を出したとしても、50kg以上になるとブレが激しくなるかもしれない。
70kg程度の、ある程度「正確な重さ」がわかるものを量ってやればいいのだが、適当なものを思いつかない。

そこで、「正確な体重」でぐぐってみたが、意に反して、その正確性が担保されないはずの体重計の宣伝がほとんどだ。そもそも、その値が狂っているかどうかも確認できないのに、「50g単位での正確な体重測定が可能」なんていう体重計が売れているのは、何かの冗談みたいだ。
結局、どういう風にすれば、家の体重計が狂っているのか正確なのかを判断する方法はわからなかった。

ただ、一つだけ、問題意識の近いものがあったので導入部分だけ引用する。
『哲学思考トレーニング』の伊勢田哲治の文章だ。*2

「体重とは何か」に関する形而上学的考察
伊勢田哲治
体重とは何か?体重の正確な値を量るとはどのようなことなのか? ダイエットなどの理由により日に何度か体重計に乗ったことのある ものならば誰でも、体重計の表示が場合によっては一日1kg近くも 変動することを知っているであろう。はたしてそうした変動は 何を意味するのか?体重そのものが重くなったり軽くなったりして いるのか、それとも、体重そのものは比較的安定しているが体重計に 表示される重さが変動しているだけなのか? 本稿の目的は、以上のような古来からの難問に対し、 実はこれは人間の身体とは何かということにかかわる 抜き差しならない形而上学的問題であると示すことにある。

ここで述べられているのは、大雑把に言えば、「食べ物」を体重に含めるかどうか、という話である。通常は、胃や腸の内容物の重量も含めて体重と考えるが、それであれば「食べ物」は、いつの時点から「身体」の一部になるのか、というようなことが問題になってくる。
屁理屈のようにも見えるが、誰もが思いつくことで、結論までわかりやすい文章で書かれていて非常に面白かった。物事を批判的に捉えるトレーニングになる。
〜〜〜〜
で、僕自身の問題については結論無しです。
今日もタニタで体重を量ります。

(追記)その後、コメント欄でも書いたとおり「人力検索はてな」で質問してみました。
http://www.hatena.ne.jp/1140878563

*1:逆かもしれない。

*2:リンク先で文字化けしないためには、日本語Shift-JIS表示にする必要があるみたい。