Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

アン・ビョンギ『ボイス』★★★★

面白い。
あまり期待せずに見たが、展開に無駄がなく、シナリオも練られていて、何より役者の演技がうまい。『猟奇的な彼女』のあとにこれを見てしまうと、韓国映画は日本の映画よりもはるかにレベルが高いのではないかと思ってしまう。
携帯電話というアイテムがあまりにベタ過ぎて、(現在公開中の日本映画『着信アリ』もそうだが)安っぽい印象を持っていたが、作品を見てみると、水道、エレベーター、車、雨とホラー映画系のアイテムが満載で、どうも意識的にやっているらしいことがわかり、むしろ好感を持てた。DVDに収録されている監督インタビューを見ても、『サイコ』『リング』『バニラスカイ』など、ほかの作品の名が頻繁に出てきており、アン・ビョンギ監督はウォシャウスキー兄弟と同様、若いオタク的感性を持った人のようだ。
何かとヨンジュ(子供)役のウン・ソウばかりが注目されたキャストだが、ヒロインの親友ホジョン役のキム・ユミが非常に微妙な役柄をうまく演じていた。その他、中山忍似のヒロイン、ハ・ジウォン、女子高生ジニ役のチェ・ジヨンなど女優は皆美人。いずれの女優も他の作品を見てみたくなる。なお、ホジョンの夫チャンフン(チェ・ウジェ)は民主党岡田克也似。
それにしても『猟奇的な彼女』といい、この作品といい、儒教色の強い韓国でも援助交際が問題になっているのだなあ。