Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

朝日美穂『ホリアテロリズム』★★★★☆

ホリアテロリズム
岡村トリビュートの発起人にして、岡村靖幸復活の立役者の一人である朝日美穂の5年ぶりフルアルバム。
思い起こせば、1997年にツタヤ新宿店の視聴コーナーで、タイトルが岡村ちゃんっぽいとの直感から、シングル『勉強』を手に取ったのが朝日美穂との出会い。雑誌『ぴあ』の無料ライブ招待に当たる等、学生時代から縁があって聴いてきた贔屓のミュージシャン。
それにしても5年は長い。この人にしても川本真琴にしても岡村ちゃんに関係する人は、本当にマイペース。ただ、朝日美穂の場合、そのトリビュートが今回のアルバム製作の契機になったようだ。川本真琴も彼女と同様の病に陥っているようなので、肩の力を抜いて、新作を作ってほしい。

 それまで自分に向けていたエネルギーを、大好きだった岡村の企画盤につぎ込むことで、音楽への純粋な気持ちを取り戻した。「大した音楽家にならなければという気負いがとれて、自分は大したことないじゃん、努力して大したものを作ればいいと思えるようになりました」

朝日美穂というミュージシャンは、シンガーソングライターではあるが、デビュー当時から、折に触れて「機材好き」を自称するように、裏方仕事が大好き。今回のアルバムのセルフライナーノーツでも、マイブームの手回しオルゴールについて次のように語る。

今年の私のヒットは、手回しオルゴール。
2オクターブ半、しかも半音が使えない中での作曲や、ひとつひとつパンチで穴を空けて楽譜を作るというストイックな作業がたまりません。

手回しオルゴールによる短い曲もあれば、格好良いファンク・チューン、実験色の強いものから、ポリス「見つめてみたい」を思い起こさせるオーソドックスなアレンジの曲まで様々。一曲目「秘密のフランボワーズ」が岡村靖幸提供曲であることが取りざたされることが多いが、全曲聴き所満載。
こういういろんなタイプの曲、いろんなタイプの音が入っているのは単純に僕の好み。星も甘くつけましたが、結構長く聴けそうなアルバムです。