Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

田中圭一『ヤング田中K一』★★★☆

ヤング田中K一 (ニチブンコミックス)
失踪日記』に始まる、エッセイ系漫画も、もう5冊目となった。今までの足跡を辿ると・・。

吾妻ひでお失踪日記』、桜玉吉御緩漫玉日記(1)』
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20050821#manga
福満しげゆき僕の小規模な失敗』★★★★☆
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20051007#huku
安野モヨコ『監督不行届』★★★☆
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20051106#manga

さて、田中圭一は、十数年前に、『昆虫物語 ピースケの冒険』『ドクター秩父山』を読んで、よくわからない下品さ(当時からシモネタだったが、少年誌だったのでセーブされていたように思う)がツボに入っていた。その縁があるので、最近も、たまにその名前を目にすると、期待して目を通してしまう。
当時の作品と異なり、最近の作品は、大半が手塚治虫そっくりの絵で、余計に目立つ。しかも読んでみれば「局部くん」とか、話が始まる前に既にシモネタ*1の「もろ」な作品ばかりで、それはそれで注目していた。
そして、少し前になってしまうが、竹熊健太郎の「たけくまメモ*2でピースケやドクター秩父山の復刊について触れられていたので、これを機会に、と作品購入に至ったのだが、このたけくまメモのエントリを読むまで、田中圭一がサラリーマン漫画家*3などということは全く知らなかった。しかも、タカラやアートディンクなどの有名企業に勤めていたというのだからびっくりだ。
web上では、こんなところで、その素顔を拝見できる。
http://www.artdink.co.jp/japanese/title/aq2/etc11.html
http://bj.shueisha.co.jp/contents/sakka/sp/024/kiji/002.html
http://k-tai.ascii24.com/k-tai/news/2004/04/06/649097-000.html

さて、『ヤング田中K一』は、自ら「サラリーマン時代の青春期」と語るタカラ在職時のエピソードを中心に「恥ずかしい話」をまとめたもの。下ネタは・・・やっぱり多いか・・・。
驚きのエピソードは第8話で披露される「思い聞かせダイエット」!入社二年目に、誘惑されて騙された営業事務担当の先輩お姉さんを見返すために、自己暗示だけで半年で20kgのダイエットを成功させたというのだから、ダイエット広告も真っ青だ。
そのほか、披露される話は、後輩への「だまし」や結婚式でのキツイ下ネタなど、大学時代ならアリの範疇でも、社会人ではとてもとても考えられないことが多い。タカラという会社がよほど雰囲気のいいところなのか、それとも田中圭一が異能の人なのか、よくわからない。ただ、漫画だから面白いけど、当事者なら怒るような話も結構あると思う。やはり田中圭一自身が常人を超えたものを持っているのかもしれない。
ちなみにパロディは手塚治虫が基本で、そのほか、本宮ひろし、永井豪小林よしのり池上遼一と手広い。相当器用な人なんだろう。
なお、バツイチとのこと。漫画からは、奔放というか家庭的でない性格がよくわかるので納得。

*1:というか、登場人物が「局部」。でも絵は手塚治虫

*2:http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/11/post_4ce5.html#comments

*3:つまり兼業。週末漫画家、という感じか?そういう人は、しりあがり寿くらいしか知らなかった。