Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

ゲーム脳と子供の未来

年末、奥さんが実家に帰省中、陽太を連れて行った耳鼻科に、動揺を誘うレポート(岐阜県医師会報のコピー)が大量に置かれていたという。何かと思って、持ち帰ってきたレポートを見てみると、タイトルは

ゲーム脳と子供の未来」を聞いて

どうも、ゲーム脳森昭雄先生の記念講演(平成16年)を聞いて感動した県医師会の理事が、講演内容をまとめたものらしい。そういえば自分はゲーム脳について説明するまとまった文章を読んだことないなあ、と思ったので、読んでみる。
読んだのだが、イチイチ面白い。これに感銘を受け、詳しい講演内容をそのまま会報に載せる医師会理事と、それをコピーして大量に配る耳鼻科はいかがなものか。
ここで、ゲーム脳批判は特にしないが、メールやゲームが悪いものだと説明するくだりで出てくる以下の文章を見ただけでも、これはどうかと思ってしまう。(というか、たま出版の韮沢さんか、と突っ込んでしまう)

メールは、米国の国防総省が命令を伝達するために開発したもので、無味乾燥です。

テトリスは、旧ソ連軍の軍事用ソフトとして長期間使用されてきました。前頭前野の機能を低下させ、非人間的な人に変えていき、赤ちゃんでも女性でも命令が下れば容赦なく殺す人間に改造することができます。幼児期からこのゲームをしていると殺人を犯しやすい子供に育てられていくことになります。

そういった「ゲーム脳」理論のおかしさを教えてあげると、奥さんは「あーよかった」と胸をなで下ろした。
しかし、そうではない。そう安心してはダメなのだ。
ゲーム脳」理論はおかしなものだが、長時間のゲームやテレビ鑑賞が、子供(勿論大人でも)の成長に悪影響を与えるのは明かである。(たとえば、コミュニケーションスキルを磨くことは社会的な生活を送るために必要なことだが、ゲームやテレビ、パソコンなどの個人的な活動は、その機会を失わせる。)ゲーム脳の反動から、ゲーム等との付き合い方に寛容になってしまっては全く意味がないのだ。(これがいわゆる「ゲーム脳脳」という現象なのだろう。)
そう考えると、「ゲーム脳」理論は、「ゲーム脳脳」論者をさらにパソコン漬け、ゲーム漬けにするための陰謀なのではないかと勘ぐってしまう。そうでなければ、テトリスが軍事用ソフトだなんて言ったりしないだろう。