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『プラネテス』の舞台は2070年代の宇宙空間。主人公たちは、宇宙を掃除してまわるデブリ回収業者。
宇宙空間には、使用済み衛星などの宇宙ゴミ=デブリが浮遊しており、それが、「現役」の衛星などにぶつかると害をもたらすため、除去する必要があるのだ。
実は、この漫画を読もうと思ったのは、コチラのニュース
中国の弾道ミサイルによる人工衛星破壊実験を受けて、米政府当局者らは22日、宇宙空間に破壊された衛星の破片によるスペースデブリ(宇宙ごみ)が大規模な「雲」を形成しており、各国の衛星のほか、国際宇宙ステーションにも衝突する恐れがあると警告した。ロイター通信が伝えた。
を扱った、木走日記のエントリ
がきっかけ。
「デブリ」の問題は、2070年代まであと60年もある現時点でも、憂慮すべき問題として、捉えられている話なのだ。
ところで、ストーリーとは直接関係しないが、主人公ハチマキの独白(第2話)が、地球環境の前途(特に、エネルギー資源の枯渇)に対して感じている漠然とした不安を明示していて、かなり痛い。
神様みたいなのがいるとしてさあ
たぶんそいつ、オレたち人間が嫌いなんだろうな
自分たちの星の資源をガツガツ食べつくしたあげく
こんな所まできて、レアメタルやらヘリウム3やら
てめえのものみたいな顔で掘り出して
おまけにクズ鉄(デブリ)の置き土産ときたもんだ
ロコツに「帰れ」って言われてんのに気づかない迷惑な客なんじゃないかな・・・オレたち。
これに対して同僚フィーは「シャキッとしろ」と一喝するのだが、
だいたい今さら宇宙資源なしで世の中回るわけないでしょ
という捨て台詞がさらに痛い。(そういう意味では、資源目当てで宇宙開発を進める中国の方向は、正しいともいえるのだ。)
それはさておき、そういう時代背景まで含めて、かなり作品全体の世界観が練られている秀逸のSF作品。最終巻のまとめ方が楽しみ。