Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

のだめCD、レンタルしてきました。年末年始にたくさん聴く予定。

太白山自然観察の森ガイドウォーク


日曜日は、ようたと一緒に太白山自然観察の森で、毎週日曜日に開催されているガイドウォークに参加。

身近な自然の中で市民が積極的に生き物たちとふれあう場として、平成3年に設置。レンジャー(自然解説員)が常駐し、ガイドウォーク(毎日曜)や自然観察会などを開催しています。また、生き物や自然観察に関する質問や相談などにもお答えしています。

以前参加したときはかなり上の方まで登りながら樹木や昆虫、動物の跡などの解説を受けた気がしたが、今回は、あまり登らずに、少しだけ山道を行ったところで、落ち葉をほじくって、小さい虫を探して顕微鏡や虫眼鏡で見る、という非常に地味な観察。
同行者は8人くらいか。年配の常連さんがほとんどのよう。
ようたは、意外に顕微鏡や虫眼鏡に興味を持って、楽しそうにしていたが、予想通り途中で飽きて「おうち、かえろっか」*1を連発。周りに生えている裸の木を見て、「あれ、椅子に似てるねえ」「穴が開いてるよ」とか、なだめすかして終了。
もちろん、小さい子は、モテモテなので、ほうの葉でつくったお面をもらったり、ヤマユリの種を紙ふぶきのように吹きかけてもらったり、構ってもらって、人見知りなようたも、嬉しそうにしていた。
家からそんなに離れていない場所なので、もっと行く回数を増やしたいなあ。

写真はキボシアシナガバチの巣のかけら。

*1:最近の口癖。家の中にいても言う。

『東京 飛行』を語る(番外編)〜bridgeインタビュー

bridge (ブリッジ) 2007年 02月号 [雑誌]

bridge (ブリッジ) 2007年 02月号 [雑誌]

さて、本日は待ちに待ったbridgeの発売日。
渋谷陽一責任編集の雑誌という意味よりも、『キングスロード』時の、鈴木あかね*1のインタビュー*2が非常にツボに入っていた自分としては、むしろ、彼女の新作に対する感想の方が気になっていた。
今回もインタビュアーは鈴木あかね。
読んでみると、冒頭でオリジナル・ラヴのこれまでを振り返りながら『東京 飛行』を絶賛。

これまで田島貴男はユニット名、オリジナル・ラヴそのままに、“オリジナル”で独特の音楽的嗅覚と器用さを武器に、テクノから江戸情緒風味までアルバムごとに照準を変えてきた。そのクオリティの高さは語るまでもない。だが、実は、ファンが待ち望んでいたのは、この田島貴男ならではのロック・グルーヴだったのではないか。

・・・ということで、今回は、前回と比べると、かなり田島貴男マンセーで話は進む。
が、終盤の畳み掛けがやはり素晴らしい。以下、鈴木あかね氏の発言を抜粋。

  • たとえば今のチャートでのご自分の位置づけはどう考えてらっしゃるんですか?
  • この「ZIGZAG」っていう曲は、ご自分の心境なのかな、と思ったんですね。《もしもチャンスがもう一回巡ってきたときの日のために/しっかり起き上がって立って》っていうフレーズ、ここでのチャンスって何を意味しているんですか。
  • 前作ではヨナ抜きとか和風の音作りに傾倒してましたよね。あの時期はファンの間で賛否両論あったんじゃないかと思うんですけど、どうですか?

そして、ラスト付近のまとめは、『東京 飛行』の何が素晴らしいのかを、非常にうまく表現していると感じた。

ちょっと前までは、アルバムを作る前に、方向性はこれで、言葉は夏目漱石を読んでメモっておいて、とか、創作のためにいろんな練習をして、その練習の成果をそのまま形にしていたと思うんです。
今回の『東京 飛行』が違うのはエレクトロニックもエスニックもやりました、美空ひばりにハマって歌唱に気を遣ってみました、そういう回り道の経験がきちんと体内を通過して出ているんですよね。

ここの「体内を通過して」というところ、試験に出るので赤線を引いてください。
結局、渋谷陽一がいわんとしていたところは、ここなのではないか?
一応、渋谷陽一田島貴男のやりとりを再度引用。

渋谷「これを『最高だなあ』と思って、みんな聴いていて。ようやく田島くんもわかったんだと思うと、また次のアルバムで、全然とっ散らかる危険性があるんですよ。あなたの場合は」
田島さん「うーん」
渋谷「だからこの『東京 飛行』が何故いいのかっていうのを、作った本人に説明するのもバカバカしいけれども(笑)」
田島さん「あははははは!」
渋谷「それをちゃんとねえ、理解しないとだめだよ。そんな違ったもの作ったと思ってないでしょ? 『街男 街女』と」

つまり、「江戸情緒風味」や、昨日書いたような(通常の日本人が感じるような)「生活感」は、田島貴男の体内を通過していないものなのだ。だから外国人が見たニッポンになってしまう。
そこをあまり意識せずに、田島貴男がこれまで蓄積して日が経って肉体と化したものをそのまま出すのが、オリジナル・ラヴの音楽として、一番、皆の理解を得られるのだと思う。
田島貴男は、外で見つけた珍しいものを銜えて見せに来る「猫」と一緒で、自分が面白いと思ったものを、かなり早いタイミングで音楽に取り入れる癖がありすぎる。勿論、それはオリジナル・ラヴの長所ではあるものの、結果として、ポピュラリティを得にくい作品が出来てしまうことが多い。ファンの裾野を広げられないのである。
でも、今回は大丈夫。十分、ファンの裾野を広げることができる作品に仕上がった。
だからこそ、自分はひとつ提案をしたい。
仙台でもライヴをやってほしい。
(笑)
(でも本気)

*1:著作『現代ロックの基礎知識』は内容が気になるところ。

*2:ちょうど一年前のエントリーだ!http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20051227/OL

音楽雑誌記事のバラ売り望む

それにしても、今回のbridgeは、オリジナル・ラヴ以外は読むところが本当に少なかった。
RIPSLIMEは好きだが、アルバムは一枚しか聴いていない。KREVAは非常に興味があるが、未聴。(KICKもしっかり聴いたことがない)それ以外のミュージシャンは、自分が名前を知らない人たちばかりだった。
よほど、なまめかしい椎名林檎が表紙の「ROCK'IN ON JAPAN」の方を買おうかと思ってしまった。
(というか、まだ買おうかどうか迷っている。音楽雑誌コーナーでは、椎名林檎と目を合わせないようにしている。)
雑誌インタビューもiTunesのように、バラ売りしてくれれば、全雑誌のOLインタビュー、SWITCHの桜井和寿インタビュー、JAPANの椎名林檎100sインタビュー、全部購入するのになあ・・・。
買えば買ったで、物理的にも結構かさばって困るし。

チャットモンチー『耳鳴り』★★★★★

耳鳴り

耳鳴り

wikipediaの紹介文をそのまま使えば「徳島県出身の、スリーピースのガールズロックバンド」。
音としては好みに合うのか、すんなり入ってくるので、2回目3回目からは歌詞が気にして聴くことになる。すると、ものすごく魅力的で、しかも変な歌詞、耳に残る歌詞が多いことに気づく。
以下にお気に入りのフレーズを抜粋。(聞き取りのため、間違いある可能性大)

1曲目「東京ハチミツオーケストラ」

ハチの巣みたいだ東京 働きバチの行列だ
私はまだ柔らかな幼虫 甘い甘い夢を見てる

なんてサビでは上手いことをいいながら、返す刀で自分に突っ込む。

そんなに甘くはないよって 早く誰か教えてよ

 

5曲目「どなる、でんわ、どしゃぶり」

もう、タイトルからしてすごいけど、出だしの

どなる電話の先に どしゃぶりの雨音
あなた目がけて降ってる これでもかっていうくらい
どなる電話の先に お笑いのテレビの音
わたし目がけて鳴ってる これでもかっていうくらい

の「もかっていうくらい」のメロディの乗せ方が最高。
(文字読んでも全然わからないかもしれませんがすみません)
 

6曲目「一等星になれなかった君へ」

ほんとに よかったのかな
ほんとに 君はそれで

何となく不安になる歌詞。
 

8曲目「恋の煙」

サビ部分で新人類的で、若い感性が爆発。

二人ぼっちに 慣れようか
朝昼夜その先でもいいから
二人言で 喋ろうか
振り返る訳 触れずにいられない
二人よがりに なりたいな
当たりくじだけの くじびきがしたい
二人占めして いたいから
夢にまで見た夢に手が届きそう

これはいい。「夢にまで見た夢」っていう、普通なら躊躇しそうな重ねコトバも最高にいいし、「当たりくじだけの くじびきがしたい」という歌詞には何かの賞をあげたいくらいすごい。
 

9曲目「恋愛スピリッツ」

これは、言葉選びというよりは、シチュエーションがいい

あの人がそばにいない あなたのそばに今いない
だからあなたは私を 手放せない

状況から「一途な思い」が伝わってくる。これは泣けます。
 

10曲目「終わりなきBGM」

5拍子?、というかなりトリッキーなスタートから、普通のエイトビートに移り、何故か「長縄跳び」の話が挟まって、サビで繰り返される歌詞は

ねえ、一緒に かえろっか

この不思議な展開がすばらしい。最近のようたの口癖が「おうち、かえろっか」であることもあり、この歌は一押し。予想付かない展開という意味では、このアルバムを象徴する曲のように思う。
 

11曲目「プラズマ」

10曲目とあわせて大好きなのは、この曲。全体的に意味が分からない展開。
一番のサビだけ引用。

アナログな私には わからない
デジタル回路の あなたの頭の中ではきっと
私のロボットが 3時になると
おやつを運んでくるのでしょう
おやつを運んでくるのでしょう
おやつを運んでくるのでしょう
おやつを運んでくるのでしょう

これがサビなんだから凄いとしかいえない。
でも、そのあと、ドラマチックな展開があって、楽曲としては素晴らしい。歌詞は本当に意味が分からない。
 

総評

勿論、楽曲、歌詞がいいことが、売れている一番の理由なのだろうが、Wikipediaを見ると、SUPERCARいしわたり淳治がプロデューサーとして関わっているだけでなく、くるり岸田繁矢野顕子からもお墨付きをもらっているようだし、自分のような30代の音楽ファンから見てもとっかかりがあるところが、実際には売れる要素として大きいのだろう。
それにしても、実は、SUPERCARは『HIGHVISION』しか聴いたことがないので、他のも聴いてみようかなあ。
あと、ジャケの元ネタになっているとされるLITTLE BARRIEも聴いてみたいところ。

ウィ・アー・リトル・バーリー

ウィ・アー・リトル・バーリー

補足資料

“当たりくじだけの くじびきがしたい”が印象的な「恋の煙」のPVを発見しましたので、気になる方はご覧ください。

 

驚きのカバー・アルバム

聴いている音楽に偏りがある自分としては、たとえ邦楽カバーであっても、全曲知っているというのはあまりないのだが、さすがにここまでメジャーな曲を集めればわかる。

 『10 Stories』【収録曲 (オリジナルアーティスト)】
 01. 今宵の月のように(エレファントカシマシ
 02. 歌舞伎町の女王(椎名林檎
 03. くるみ(Mr.Children
 04. ハナミズキ一青窈
 05. 夜空ノムコウスガシカオ
 06. 接吻 KISS(オリジナル・ラヴ
 07. 恋しくて(BEGIN)
 08. 色彩のブルース(EGO‐WRAPPIN’)
 09. すばらしい日々(ユニコーン
 10. Swallowtail Butterfly〜あいのうた(YEN TOWN BAND

これが、甲斐よしひろがカバーする楽曲群だというのだからわからない。
オリジナル・ラヴは「いつものやつ」をカバーされるとのこと。
時代もバラバラだし、凄い「迷盤」のような気がする。