Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

チャットモンチー『耳鳴り』★★★★★

耳鳴り

耳鳴り

wikipediaの紹介文をそのまま使えば「徳島県出身の、スリーピースのガールズロックバンド」。
音としては好みに合うのか、すんなり入ってくるので、2回目3回目からは歌詞が気にして聴くことになる。すると、ものすごく魅力的で、しかも変な歌詞、耳に残る歌詞が多いことに気づく。
以下にお気に入りのフレーズを抜粋。(聞き取りのため、間違いある可能性大)

1曲目「東京ハチミツオーケストラ」

ハチの巣みたいだ東京 働きバチの行列だ
私はまだ柔らかな幼虫 甘い甘い夢を見てる

なんてサビでは上手いことをいいながら、返す刀で自分に突っ込む。

そんなに甘くはないよって 早く誰か教えてよ

 

5曲目「どなる、でんわ、どしゃぶり」

もう、タイトルからしてすごいけど、出だしの

どなる電話の先に どしゃぶりの雨音
あなた目がけて降ってる これでもかっていうくらい
どなる電話の先に お笑いのテレビの音
わたし目がけて鳴ってる これでもかっていうくらい

の「もかっていうくらい」のメロディの乗せ方が最高。
(文字読んでも全然わからないかもしれませんがすみません)
 

6曲目「一等星になれなかった君へ」

ほんとに よかったのかな
ほんとに 君はそれで

何となく不安になる歌詞。
 

8曲目「恋の煙」

サビ部分で新人類的で、若い感性が爆発。

二人ぼっちに 慣れようか
朝昼夜その先でもいいから
二人言で 喋ろうか
振り返る訳 触れずにいられない
二人よがりに なりたいな
当たりくじだけの くじびきがしたい
二人占めして いたいから
夢にまで見た夢に手が届きそう

これはいい。「夢にまで見た夢」っていう、普通なら躊躇しそうな重ねコトバも最高にいいし、「当たりくじだけの くじびきがしたい」という歌詞には何かの賞をあげたいくらいすごい。
 

9曲目「恋愛スピリッツ」

これは、言葉選びというよりは、シチュエーションがいい

あの人がそばにいない あなたのそばに今いない
だからあなたは私を 手放せない

状況から「一途な思い」が伝わってくる。これは泣けます。
 

10曲目「終わりなきBGM」

5拍子?、というかなりトリッキーなスタートから、普通のエイトビートに移り、何故か「長縄跳び」の話が挟まって、サビで繰り返される歌詞は

ねえ、一緒に かえろっか

この不思議な展開がすばらしい。最近のようたの口癖が「おうち、かえろっか」であることもあり、この歌は一押し。予想付かない展開という意味では、このアルバムを象徴する曲のように思う。
 

11曲目「プラズマ」

10曲目とあわせて大好きなのは、この曲。全体的に意味が分からない展開。
一番のサビだけ引用。

アナログな私には わからない
デジタル回路の あなたの頭の中ではきっと
私のロボットが 3時になると
おやつを運んでくるのでしょう
おやつを運んでくるのでしょう
おやつを運んでくるのでしょう
おやつを運んでくるのでしょう

これがサビなんだから凄いとしかいえない。
でも、そのあと、ドラマチックな展開があって、楽曲としては素晴らしい。歌詞は本当に意味が分からない。
 

総評

勿論、楽曲、歌詞がいいことが、売れている一番の理由なのだろうが、Wikipediaを見ると、SUPERCARいしわたり淳治がプロデューサーとして関わっているだけでなく、くるり岸田繁矢野顕子からもお墨付きをもらっているようだし、自分のような30代の音楽ファンから見てもとっかかりがあるところが、実際には売れる要素として大きいのだろう。
それにしても、実は、SUPERCARは『HIGHVISION』しか聴いたことがないので、他のも聴いてみようかなあ。
あと、ジャケの元ネタになっているとされるLITTLE BARRIEも聴いてみたいところ。

ウィ・アー・リトル・バーリー

ウィ・アー・リトル・バーリー

補足資料

“当たりくじだけの くじびきがしたい”が印象的な「恋の煙」のPVを発見しましたので、気になる方はご覧ください。