Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

新型インフルエンザ(徳島C型)、フェーズ6に突入。

世間一般と比べてかなり遅れてではあるが、新型インフルエンザ(徳島C型)の第三波、来た。
現在、自分内で大流行中。

告白

告白

今回も発売当時は放っておいたのだが、忘れそうになるたびに、hiroharuさんのところで絶賛エントリが出て気を惹き*1、久し振りにやり取りをした友人とのメールにも名前が出てきて背中を押され、5月末になってから、クレヨンしんちゃんの映画と合わせてツタヤでレンタルしてやっと聴いた。*2


ミュージシャンの中では、自分の中でこれはマストという横綱級の人が四人*3いるのだが、今の勢いは、四つ金星飾っている感じだ。その戦闘力は、スカウターを振り切るほどだ。(笑)
・・・と、絶賛しすぎてしまったが、ちょっと冷静になって、何が良いのか考えたい。

楽曲

楽曲は、少し変わった構成の曲があり、アルバムを通して聴いても飽きない。
今回のアルバムでは、「シャングリラ」同様の、いや、それどころではない「変拍子」で転がるようにサビに向かう「ハイビスカスは冬に咲く」が特に良い。歌詞の乗せ方も面白く、これはカラオケで歌ってみたいなあ。
また、3人が交代でボーカルをとる「長い目で見て」も良いし、「CAT WALK」も2番のAメロ部が1,3番と違って面白い。「さびがどこだか分からない歌が好きでした」なんて歌詞(『生命力』の「素直」)もあったし、サビが突出して聴こえる曲が少ないのが魅力なのかもしれない。


なお、hiroharuさんのエントリでも紹介があったが、一部の曲のPVは、以下から見られる。(公式なのか?)
http://musicmovie.blog48.fc2.com/blog-category-163.html

オススメは「風吹けば恋」。この曲の展開は、単調なAメロBメロから突然前が開けるようなサビ、というスガシカオ黄金パターン(ストーリー、フォノスコープなど)と共通していて、自分にとっては馴染み深い。

歌詞

チャットモンチーは歌詞が面白い。言葉選びもそうだが、さびに「おやつを運んでくるのでしょう」を繰り返したりなど、フレーズの曲への乗せ方が変わっている。カラオケ好きな自分にとっては大事なポイントだ。


ところで、歌詞については、誤りを「告白」しなければならない。
今回もレンタルで借りてきたため、歌詞カードをまじめに見る機会が少なく、最近になってからネット上の歌詞サービスで好きな曲の歌詞を確認し、以前の曲も遡ってみた。すると、これまでは、全く意味が分からなかった「プラズマ」*4が、明確に男女のすれ違いを歌った歌だということが判明。また、社会風刺的な色が濃いと思いこんでいた「世界が終わる夜に」*5は、単純に、失恋について綴った歌だとした方が通りがいいことも理解した。
ただ、「長い目で見て」を聴いて、この部分は、世界の環境対策のことを歌っているんだとか、日本の基礎的財政収支プライマリーバランス)の黒字化目標の先送りのことを歌っているんだとか、主張してもそれはそれでいいような気がする。歌詞は多義的な方が面白いし、情報は、郵便的誤配*6を生じるものだ。

長い目で見すぎた みんなの行く末
ヤバくない? そうでもない?
だけど もう少し その時まで ほっとこうかな


改めてみると、チャットモンチーの曲は、恋愛をテーマにしたものが多い。
以前にも書いたことがあるが、恋愛の歌であればあるほど、ステレオタイプの罠に嵌って凡庸な歌になってしまう、というのが持論である。したがって、反対に、凡庸でない、つまり奇抜な言葉選びの多いチャットモンチーの歌が、ストレートな恋愛の歌であることに気づかなかった。
好きなミュージシャンとの比較してみると、サンボマスターは、凡庸の方向で突き抜けており、歌詞に説得力を持たせる力技の歌唱もあり、かえって新鮮だ。チャットモンチーとは方向性が異なると思う。
スガシカオは、恋愛の周辺部、むしろコミュニケーションを主題にして歌うことが多いのではないか。ただ、よく考えると、大好きな「恋愛スピリッツ」も恨み節の曲だし、ネガティブ感情の曲を見ると、スガシカオに似ているのかもしれない。
『告白』の中では、少ない歌詞故に「押しつけがましい」気持ちが伝わってくる「やさしさ」が好き。

明日ダメでも 明後日ダメダメでも
私を許して
それがやさしさでしょう?

ところで、3人とも作詞しているのだが、今のところ、3人の「聞き分け」が出来てない。3人とも上手だから?

3人のバランス

チャットモンチーの何が凄いかといえば、やはり3人のバランスなのではないか。
ボーカル橋本絵莉子の声の表情の豊かさ。勿論、本人独特の良さがあるのだが、曲によっては椎名林檎遊佐未森に聴こえる変幻自在な声は、他に替え難い。それにもかかわらずボーカルが前面に出過ぎるのではなく、三者の演奏がそれぞれ主張を持ってぶつかってくる。
まずは、橋本絵莉子のギター。2ndアルバムのオープニング「親知らず」が最高だが、どれもいい味出している。
そして、高橋久美子のドラム。自分はチャットモンチーのドラムのアレンジは、全部好きです。。
最後に、福岡晃子のベース。聴いていると、前2者が目立ちすぎるので、少し引いた感じで演奏しているのかな、と思ってPV見たら、ものすごくかっこよくて驚いた。イントロがベースから始まる「Last Love Letter」は演奏の特に3人のバランスが取れているような気がする。

まとめ

ということで、現在も聴くたびに新たな発見があったりして、全く飽きない3rdアルバム『告白』。難点をいえば、オープニング曲(「8cmのピンヒール」)が、2nd『生命力』の「親知らず」と比べると弱いかなと感じるところぐらいか。
これから、いしわたり淳治亀田誠治、セルフプロデュースとプロデューサーで聞き分けるのも面白いし、作詞で聞き分けるのもいい。カラオケも練習したい。さらには、未聴のシングルB面も聴いておきたい。
皆さまも、徳島C型のインフルエンザは強力だから気をつけた方がいいです。手洗い、うがいは忘れないように。

*1:こちらのエントリは名文です。流石です。→http://ameblo.jp/hiroharu/entry-10257319139.html

*2:レンタルでは申し訳なさすぎるので、買わないといけないのですが。

*3:田島貴男スガシカオ中村一義岡村靖幸。基本的に全てのアルバムを持っている。大関以下は、サンボマスター曽我部恵一椎名林檎キリンジチャットモンチー 順不同。

*4:「プラズマ」の歌詞はこちら→http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND43275/index.html

*5:「世界が終わる夜に」の歌詞はこちら→http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND53813/index.html

*6:難しい言葉を使ってみた。意味はよく分からない。