Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

たとえば、星を見るとかして

駅からの帰り道は、街灯が少ないせいか、星がよく見える。唯一僕が知っている星座がオリオン座だということもあり、寒くなると、帰りに星空を眺めることが多い。
ちょうど、そんなとき、諸星大二郎暗黒神話』を読んだ。このマンガでは、ある箇所でオリオン座が印象的な形でフィーチャーされる。さらに、続けて読んだ星野之宣『宗像教授伝奇考』でもオリオンとプレアデス(すばる)の神話(一巻)について触れられていると思ったら、年明けの極東ブログでもシリウスについて扱われているなど、ちょっとした「冬の星座」連荘モードに。
せっかくだからということで調べてみる。

これを見ると、有名な「冬の大三角形」以外に「冬の大六角形」と呼ばれるものがあるという。しかも六角形には「牡牛座ラプソディ」も「双子座グラフィティ」も入っているじゃないか。これで、キリンジも新たな気持ちで聴ける。
そういえば、安井至教授も、年末に「たまには星空を」と夜空を眺めることを薦めていて、自分の関心を後押ししてくれるようで嬉しい。ただ、安井教授の文章を読んで気づいたのだが、そもそも何となく星空を眺めだしたのは、池澤夏樹芥川賞受賞作『スティル・ライフ』の影響もあるかもしれない。

大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして。

そう考えると、小説の持つ力もなかなか偉大だなあ。さて、今度の芥川賞はどうなるのだろうか?