Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

『ハチミツとクローバー』1巻〜8巻(続刊)★★★★

ハチミツとクローバー 8 (クイーンズコミックス)
昨年感想を書かなかったものもボチボチ書いていく。
大学〜就職という、立場が大きく変わる時期の若者の心の揺れ動きが実にうまく書かれている。主要メンバーのうち、真山なんかは途中から就職してしまうわけだが、学生/社会人の微妙なスタンスの違いが物語にリアリティを与えていると思う。
たとえば、カレカノなんかが致命的なのは、大人と子どもの描き分けに失敗していること。勿論「絵」も問題だが、有馬君の父親の話に焦点が移る後半は、高校生のみが登場する前半中盤と比べると、理屈っぽかったし、途端に物語が魅力を失っていった。それと比較すると、ハチクロの良さは特に際立って映る。
また、ハチクロといえば、主にモノローグと平行して挿入される「ポエム」。詩の内容は、いろいろな人に影響を受けているのかもしれないけど、単純に「上手」。「臭い」という人もいるかもしれないけど、青臭すぎないギリギリの線が感動を呼ぶ。
主要メンバーの中で好きなのは、はじめは山田さんだったけど、「自分探しの旅」以降は、完全に竹本君ですね。森田みたいな漫画的キャラクターは頻出するともっとコミカルな別のマンガになってしまうので、あまり出てこないのは正解。それにしても、山田/森田、竹本/花本、と苗字が似ているのはわざとなんだろうか?読み始めた当初は混乱した。
映画化のキャストは、竹本君=嵐・櫻井翔というのはイメージ通り。「はぐ」が蒼井優というのは、背格好は似ていないものの雰囲気は近いかも。それ以外は、知らない人ばかりでよくわかりません。アニメはちょっと見てみたいなあ。