Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

斎藤孝『使える読書』

使える読書 (朝日新書)

使える読書 (朝日新書)

かなり変わった構成の本である。
本書は、4頁×51冊の本の紹介がメインで構成されているが、核は明らかに「取扱説明書」と題された冒頭の二十数ページの部分である。この冒頭部分で、斎藤孝の読書方法が説明されており、それのアウトプット事例として残り200ページがある、と考えなくてはならない。
というのは、取り上げられている本が、あまりに玉石混交すぎるからだ。いわゆるオススメの50冊と言うタイプの本では全く無い。
取扱説明書では、「書くため、話すための読書」方法として、キーワード、引用文を見つける、フォーマットを固定して書く、好意的にコメントを書く、出会い頭で読むなどの方法が紹介されているが、自分の読書観と一致するところが多く、共感を持った。(というか、3色ボールペンをはじめとして、この人の著作の影響を自分が大きく受けているだけかもしれない)
取り上げられていた本で「これは!」と思ったものだけ羅列する。

  • 岸宣仁『ゲノム敗北』:国内のお役所体質(速度不足)と領域主義で国際競争を勝ち抜けなかった事例として。『電波利権』で取り上げられていたが、ハイビジョン放送なども似た図式か?
  • 白石玄『野ブタ。をプロデュース』:芸能人でない人が、過剰な「キャラ立て」を意識することには相当違和感を覚えるので、問題意識としては高い分野。分野?
  • 『夢をつかむ イチロー262のメッセージ』:斎藤孝をして「イチローは言葉のレベルが違う」と言わしめる、その次元のすごさを確認したい。
  • 松崎欣一『語り手としての福沢諭吉』:『すぐに稼げる文章術』で日垣隆もオススメしていた福沢諭吉に興味あり。
  • 岡田尊司『脳内汚染』:いわゆる「ゲーム脳」のことか、と思いつつAmazonレビューを見ると高評価も多い。否定的な立場から読むことになるだろうが。
  • 海堂尊チーム・バチスタの栄光』:医療現場を舞台としたこのミス!大賞受賞作のコミカル・ミステリー。最近『医龍』を8巻程度まで読み、バチスタについても興味がある。
  • ヘルマン・ヘッセ『シッダールタ』:ゴーダマ・シッダールタ(釈尊)の伝記ではなく、ひとりの青年の修行の話。ヘッセは確か全くの未読、読みやすい新訳ということで、この機会に。
  • 松原隆一郎『武道を生きる』:社会経済学者が挑む、実践『空手道ビジネスマンクラス練馬支部