Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

岡村靖幸Tour '07「告白」@ZeppSendai 11/1

忘我です。
3年ぶりのライヴ、確かにセットリストに新作は無い。声も完全復活ではない。
しかし、やっぱり、岡村ちゃんのライヴは最高!
で、ちょっとだけ何故なのか考えてみた。

まず、自分の好みの問題。最近確信するようになったが、自分にとって、ファンクは、かなり「ど真ん中」の音楽ジャンルである、ということがわかってきた。今年、100s経由でSUPER BUTTER DOGも聴いたし、マイルスのファンクよりの作品も聴いたが、全てが同時期に聴いたほかのアルバムより好印象。勿論、ずっとファンだったスガシカオもファンク。


また、ダンスの効果は大きいと思う。
ファンでない人も知っているだろうが、彼のライヴはダンスなしには語れない。
ツアーメンバーも、基本的にダンサーが二人つく、というスタイルを貫いている。それは、結局、岡村ちゃん自身のライヴに対する考え方が、いい曲を演奏することではなく、体感すること=live(生きている)を実感する、実感させることに重きを置いているからだと思う。結果として、岡村靖幸のライヴは、「盛り上がりどころ」がはっきり分かるし、岡村ちゃんの気持ちの盛り上がりも分かる。そして、岡村ちゃんの盛り上がりがピークに達するとき、自然と観客の盛り上がりもピークに達する。会場が一体化しやすいのだ。
スガシカオの場合は、同じファンクでも少し違う。声の表情で、そのノリはわかる。ただ、ときどき聴いている側だけ盛り上がっている?という感じがするときがあり、不安になってしまうのだ。(スガシカオが器用だから)


ただ、それだけじゃない。
ファンクとダンスだけじゃない。
長年ファンをやっているミュージシャンであれば大抵そうだが、ライヴ会場にいるとき、自分は、中学生になっている。高校生になっている。今までの自分を辿っている。自分の十数年が溢れてくる。特に、今回のライヴでもほぼ原曲アレンジで演奏されたLion Heartなどは、確実にあの頃の、80年代の空気が結晶化したメロディー&アレンジで、自分の頭の中では、渡辺美里などと直結している。
また、岡村靖幸の場合は、特に、年齢設定が明確な詞の世界観の影響が大きい。代表的な楽曲の多くが20歳前後で作られていることもあり、主人公が高校生〜20歳くらいの歌詞が多いのだ。
特に、今回のライヴで強く感じたのは『聖書(バイブル)』。

Baby なんか強引ですが今 Teenagerのあなたが
なんで 35の中年と恋してる。
学校じゃ もちきりだよ そのことで

いつの間にか自分の年齢が「35の中年」に近くなっていることに気づく。(ていうか、35歳って中年なのか?)
などと思いながらも、やっぱり聴いているときは、自分は高校生で、彼女も高校生。もしくは大学生同士だったり、とか、とにかく自分内で年齢が目まぐるしく動く。
それだけじゃない。
「年齢問題」は、かつて自身でも歌ったとおり、岡村ちゃんにこそ、深刻な問題でもあったのだ。

一生、30代、いらない
コーナーに突っ込んだスターは今まだ
実際まだ10代 そうじゃん ギターなんて猛烈さ
(パラシュートガール)

今年42歳の岡村ちゃんが「35の中年と恋してる」同級生に対する困惑を歌う、という構図がまたすごいが、歌っているのは42歳でありながら、10代でも20代でもある男なのだと思う。
そして、岡村ちゃんとファンにとって「年齢問題」以上に大きいのが「体型問題」。特に今回は、新作ジャケよりだいぶリバウンドはあったにしろ、3年前よりも確実に痩せており、自分には、時折、『家庭教師』の頃までのスマートな岡村ちゃんが思い起こされたほどだった。つまりは、3年前の延長上にある岡村ちゃん(現実)と、痩せていた20代の頃の延長上の岡村ちゃん(妄想)がダブって見えた、ということで、そういう意味でも、今回のライヴは、自分にとって、時系列上の重厚さが非常に大きなものだったのだ。
〜〜〜
ということで、また理屈っぽく書いたが、本当によかった。
いいライヴのときの「お約束」(お布施)ということで、NBAのLakers風のマフラータオルと、リストバンドを購入。

セットリスト*1

1. チャームポイント[アウトロ]〜どうなっちゃってんだよ
2. alfa inn ⇒演奏中は分からなかった曲
3. ターザンボーイ
4. カルアミルク
5. Co'mon
岡村ちゃん本人は長い退場。メンバーのソロで場をつなぐ)
6. いじわる
7. モン-シロ
8. DATE
9. 祈りの季節
10〜11. マシュマロハネムーン〜セックス
(幕)
 弾き語り
12. 友人のふり
13. Lion Heart
<MC〜ベースの・・・名前失念>

14〜15. ア・チ・チ・チ〜聖書
16. Punch↑
17. ステップUP↑
(幕)
18. adventure
19. だいすき
20. あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
<MC〜マニピュレーターの玉ちゃん>

21. 愛の才能〜Out of Blue

補足

  • 片手側転一回。ダンスのキレはよかったと思う。岡村ちゃんではないが、「モン-シロ」のダンサー二人のスローなダンスはいつ見ても美しい。(特に2番に入る直前)
  • ぴあインタビューでクローズアップされた「牛タン」だが、特に言及なし。弾き語りも、特に仙台限定ネタは無かったような気がする。(聴こえなかっただけかもしれない。)
  • 弾き語りの内容は、「今夜、君のオリジナルなメッセージを送ってほしい/例えば、歌?手紙?ヌード写真?エッチなテープ?/でもどんなものでも心がこもっていればOKだぜ。」みたいな歌。「エッチなテープ」に爆笑。
  • 楽曲間の台詞などで「マジで」が多かったような気がする。前から?
  • 二曲目「カルアミルク」で歌詞を忘れるハプニング。曲終了後、頭を深々と下げて何度も謝っていた。(手振りで涙(汗?)を拭いていた)
  • それ以外でも、頭を下げていたシーンが多かったと思う。まさに「更生した若者」みたいな感じ。腰が低い感じで、バンドメンバーとの雰囲気も非常によかったと思う。2回のMCは、ベースとマニピュレーターが担当。
  • なお、複雑な歌詞のある楽曲「SEX」では、いつものカンペが登場。今回は、後ろにピーチマークのついた、しっかりしたつくりのもの。敢えてカンペを見ても歌わない(歌わせる)岡村ちゃんには笑ってしまった。
  • 新曲披露は最終日までお預けなのだろうか?ツアータイトル「告白」の深い話も含めて、最終日には宿題が沢山ありそう。

*1:はてなのeugeeneさんのエントリを参考にしました。仙台も同じ曲目だった、ということです。http://d.hatena.ne.jp/eugeene/20071027/p1