Yondaful Days!

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塩野七生『ローマ人の物語2』

これは本当に面白い。

ところで、国民年金保険料についての自民党案が、05年度から年600円ずつ引き上げとしていた当初案から年280円引き上げに下がったというニュースがあった。参議院選を見据えてのことだという。
最近、このようなニュースを頻繁に見ていると、現在の日本の政治のシステムは、年金や医療、環境など長期的な問題に向いていないのではないか、と思ってしまう。
長期なだけに責任の所在が曖昧になってしまい、本質的な議論はなおざりになってしまっているように見える。

(一般的には評価の低い)ローマにおける「元老院開放」について、塩野七生は「長期的な視野に立って一貫した政策を考えることのできる人々が不可欠」という理由で、評価している。制度はどうあれ、様々な問題が複雑化・長期化している現代にこそ、このような思想のもとにつくられたシステムが必要であると思う。

今回の国民年金値上げ額の縮小の原因となった参議院については、一般的な不要論以外にも、長期の問題の解決に特化したかたちでの再編成という案があるようだ。つまりは、参議院の元である元老院的な役割を担うということになるのか。このままの状態が続くよりずうっといい。是非考えて欲しい。