Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

saigenji『saigenji』★★★★☆

saigenjiは富田ラボのアルバムにも参加していたし、名前は知ってはいた。
しかし、ジョアンジルベルトのトリビュートを聴くまでは、その凄さに気付かなかった。彼は、一般的には民族音楽とかブラジル音楽というくくりの中で語られることが多いようだが、ジャンルの中に収めようとする紹介の仕方は適当ではない。
bounce.comなどでは彼のことを「ヴォイス・パフォーマー」と呼んでいるが、まさにその言い方がぴったりくる。1stアルバム収録曲のほとんどはスキャットの部分があり、それが全く不自然ではない。3曲目「NAMIMA」などは日本語詞部分とスキャット部分の切れ間がわからないくらいボーカルを楽器のように扱える人。
そして、キャロル・キングのカバー「it's too late」がまた凄い。見事に消化しきったカバー。イパネマの娘にも驚いたが、これもびっくりした。彼は、ストーンズのトリビュートで「satisfaction」のカバーも披露しているようで、是非聴きたい。
日本語詞もよい。曲調もそうだが、詞は、『風の歌を聴け』〜『RAINBOW RACE』の頃の「砂」とか「空」の出てくる歌を歌っていた田島貴男を思い出す。
速い曲もよし、ゆっくりの曲もよし、ボーカルパフォーマンスは天才的で、歌詞もよい。これを聴いてオリジナル・ラヴファンの僕としては、田島貴男の今後がちょっと心配になってしまった。