Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

司馬遼太郎『燃えよ剣(上)』★★★☆

やはり大河ドラマのキャスティングと比較して読む。
以前『新選組血風録』を読んだ時と比べて、各キャラクターに対するイメージが強くなったので、読みどころは増えた。
土方歳三沖田総司は、ドラマが小説をなぞっているのか、まさにピタリの配役。ドラマを見て好きになった山南敬助も印象は近いが、小説では、土方との関係がもっとぎすぎすしている。芹沢鴨は、小説でも特異なキャラクターだが、ドラマほど強烈ではない。
昨日の放送では、その芹沢鴨が討たれた。45分間固唾を呑んで見つめてしまうような密度の濃いドラマだった。特に芹沢&近藤の絡み、芹沢&沖田の絡みが最高。鴨&お梅のスーパー演技派が消えても、ドラマの質が落ちないと良いが・・・。
小説を読めば、ドラマの今後も当然わかるのだが、今後の山南敬助藤堂平助について、意外な展開があった*1ので、ドラマの方も楽しみにしたい。
ところで、新選組の背景となる各藩の対立についてこれまでよく分からなかったのは、「尊皇攘夷」かどうかが敵味方の分かれ目だと勘違いしていたからだ、と知る。*2そうではなくて、倒幕VS佐幕というのが対立軸の中心だったのですね。
また、会津藩と仲の良かった薩摩藩が突如長州に寝返るあたりの展開も順を追って説明があるので分かりやすい。ただ、坂本竜馬という人の立ち位置が、まだよく分からない。分からないけど恥ずかしいので、あまり人には言わないようにしよう。

上巻は伊東甲子太郎の入隊後、新選組内に不穏な空気が流れ、そこに土方が多摩にいた頃からの敵 七里研之助が絡む。さあ、これからという最高のタイミングで幕が引かれる。早く下巻を。

*1:歴史を知らなければ知らないで、こういう些細なことで喜べるのだ。

*2:恥ずかしい