Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

木村カエラ『KAELA』★★★★

KAELA (通常盤)
意外性という意味では、今年の中ではサンボマスターに次いで驚いた存在。やっぱりモデル出身ということで高をくくっていた。
昨年12月発売のアルバムだが、今回興味を持ったのは、よく行くコンビニで流れていた最新シングル『BEAT』の民生節がうまいなあ(よく「もの」にしているなあ)と思ったのがきっかけ。
彼女は全曲作詞しているが、楽曲はエルマロの曾田茂一など複数。しかし、アルバムとして統一感があるのは歌詞の力によるのかもしれない。普段シンガーソングライター系の音楽ばかり聴いている自分にとっては、自分で曲を作らずに、この「まとまり」は不思議に思えてしまう。
ちょうど先日録画しておいたNHKトップランナー」を見ると、彼女の作詞方法は、楽曲提供者がつくるテープに入った仮歌(鼻歌)を聴いて、浮かぶ言葉をつなげていく、というもののようだ。シンガーソングライターの場合は、よく詞が先か曲が先か?なんて質問があるが、YUKI木村カエラなど、分業体制の人たちは必然的に曲が先になる、ということか?*1
それで、詞も、若いけどすごくいい。決してありふれた言葉で歌わない。英語詞も自然。デビュー曲の『level 42』の「自分らしくいるのが怖いなら 誰かの振りしたっていいじゃない」という歌詞も、安易に「自分らしく」と歌わないところに好感が持てる。そのほか、「発明家たち」への尊敬を歌い上げる4曲目「INVENTOR」なども面白く、恋愛ソングに走らないところが素晴らしい。
このアルバムのあとに出たヒットシングル『リルラリルハ』は、番組のライヴでしか聴いておらず、いまいちよくわからないが、最新シングルは本当に好きだし、2ndが楽しみなミュージシャン。
 
ちなみに、彼女のことを何と呼ぶのが一般的なのかよく知らないので「カエ様」で検索してみたところ、それは、カエターノ・ヴェローゾの愛称のようで驚いた。

*1:確かに、朝日美穂も、以前インタビューで、昨年のアルバムの岡村靖幸提供曲について、仮歌の入ったテープがかっこよくて・・・という話をしていたような気がする。