- アーティスト: 100s
- 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング
- 発売日: 2007/05/16
- メディア: CD
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聴いてみると、やはりピンと来ない。
1曲目「世界」はいいが「希望」に続く「まんまる」に力が抜けすぎているように感じた。
しかも、真ん中3曲「なぁ、未来」〜「シンガロング」は、暗い。
7曲目「あの荒野に花束を」については、はじめから好きな曲だったが、全体の印象が薄いように感じたのが、第一印象だった。
しかし、2回3回と聴くうちに、その印象は吹き飛ぶ。
7〜11曲目(ラスト)までは、どれも名曲、明るい冒頭3曲に挟まれて、4〜6曲目もすんなりと受け入れられるようになった。いい曲に引っ張られて苦手曲が消えていくのは、自分の中での名盤の定番パターンだ。
そもそも、曲をほとんど飛ばすことなしに繰り返し聴くアルバムというのが、このところほとんどなかったので自分でも、『ALL!!!!!!』へのはまりっぷりに驚いた。
繰り返し聴けたのは、アルバムが全体で46分と短いこと、1曲1曲も比較的短めであること、というのが言えるが、歌詞にも工夫があるように思う。
たとえば
- 今日と未来を歌った「希望」「なぁ、未来」
- 変わりゆくもの、無くなっていくものへの気持ちを表した曲として「ももとせ」「あの荒野に花束を」。
- 環、丸いもの、まわるものを題材とした「まんまる」「つたえるよ」「そうさ世界は」
- 朝日、夕日が繰り返し歌われる「つたえるよ」「ももとせ」
カバー曲として9曲目に入っている「蘇州夜曲」も「泣く」「春」などのキーワードが「ももとせ」と共有されている。
細かいところで全部繋がっているようで、浮いている曲が皆無である。
ベタ褒めしたファーストアルバム『OZ』(2005)は、それこそベスト版であり、一曲一曲は濃密だがアルバム一枚としてのまとまりに欠ける部分があった。『ALL!!!!!!』では、一曲一曲の魅力は『OZ』には適わない部分もあるが、全体としてのメッセージ性は強く、一枚を通して何度も聴きたくなる魅力に満ちている。
何より、100sの6人としてのまとまりが最高だ。
今回のインタビューは、中村一義以外のメンバーが答えているのも多く見たような気がするが、まっちぃこと町田昌弘の発言も100sとしての自信に溢れている。
●町田さんは横で見ていて、中村君のバンドマンとしての変化はどう思いますか?
町田「バンドマンとしての変化というか……僕の中では中村一義は中村一義 な ので。それは他のメンバーもそうなんです。池田貴史は池田貴史であるし。で、僕の中ではそんなに変わって行く必要はないと思っていて。やり方も考え方も、信じていることも信じていないことも含めて全部、変わらなくていいと思ってるんです。それが、 100s の 6 人で――中村一義の周りにも 5 人いるし、僕の周りにも 5 人いる、その 6 人がいろんな信じるものと信じられないものを共有して行く。それがバンド としての 音になって行って、バンド の 意志として作品にフィードバックされて行ったらいいと思いながらやってますけどね」
初回限定のDVDにはカバー曲を除く全曲の映像が入っているのだが、どれを見ても全員楽しそうにやっているし、ブログを覗けば、メンバー間で馬鹿やっている。
そういうのはライヴでこそ強く感じられることだろう。
実は、金曜日(7/13)は仙台でライヴなのだが、非常に楽しみになってきた。