Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

小谷美紗子(おだにみさこ)『Then』

Then

Then

さて、最近は、池ちゃん以外の100sメンバー(玉田豊夢(Dr)、山口寛雄(Bass))と、小谷美紗子trioとして活動することの多い彼女。
中村一義と同時期にデビューし、中村同様、デビュー当時は「天才」と冠されることが多かったように思う。当時、1stアルバムを聴いて、「嘆きの雪」を含め2、3曲に感動したことを覚えている。
数年前、久しぶりに聴いた彼女のアルバム(多分『うたき』)は、なんだか歌詞がロックロックしすぎて「青年の主張」みたいになっていたことに辟易して、また彼女の歌から離れていた。
今回、改めて聴いてみようと思ったのは、ジョニ・ミッチェル『ブルー』を聴いたから。どこが似ている、というように指摘はできないが、「女性シンガーソングライター、次、何を聴こうか」と思ったとき、小谷美紗子を思い出した。神の啓示だね。
ツタヤにあったのは、最近のtrio編成のアルバムではなく、5年前発売の、このアルバムのみ。
仕方なく選んだのだが、それがよかったのかもしれない。
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このアルバム、いいです!
はじめ3回くらいは、好きな曲、嫌いな曲が混在して凸凹しているイメージだったのだが、聴きこむと小谷ワールドにどんどんはまり込んでいく。ラストの曲は、歌詞が青臭いのだが、それも全く気にならない。
歌詞の内容は特にいい、というわけではないが、心に染み渡る感じ。とても自然。
アレンジも凝っており、全く飽きない構成。
何より、声の表情が豊か!力強さを持ちながら、ときに気持ちが弱くなっているような繊細さを見せる。
シンガーソングライターとかそういう以前に、相当な技量のボーカリスト
Amazon記載のCDジャーナル評は以下の通りだが、そういった周辺情報なんか吹っ飛ばすくらいに力を持ったボーカルだと思う。

筒美京平の曲やイースタンユースのアレンジ、デヴィット・キャンベル(BECKの父)のストリングス・アレンジなど多彩なコラボレーションにより完成。力強いポップス、ダークなロック、ファンタジックな可憐さなど、さまざまな音楽的素顔を見せてくれる。

今も聴きなおしていますが、これは衝撃的です。
至急、彼女の最近のアルバムも入手しようと思います。