- 作者: 宮崎総一郎,森国功
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2012/03/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そして自分自身、忙しい時期に実践していた行動が多かったので、自分は正しかったのだと自信がついたが、逆に新たに得た知識は少なかった。
本書の核となり、これまで自分も実践していた項目は以下の通り。
- 徹夜は非効率(起きているつもりでも数秒単位で脳が眠っている「マイクロスリープ」が増える)
- 寝る間が惜しいときは仮眠。(昼なら15分。夜は90分単位)
- 体調悪化時は6時間以上眠る必要。
- 人間の体は25時間サイクルで動いているのでリセットのために太陽の光が必要。
- カフェインは眠りの質を下げる可能性。
- 寝酒はNG
- 朝活で睡眠時間を減らしてしまうならむしろやらない方がいい。
- 昼寝(30分以内)はした方がいい。
また、以下については、今回知った部分。
- 脳は使った部位から眠くなる。渡り鳥は脳の左右を交互に眠らせている(半球睡眠)。
- 仮眠から目を覚ますには、ガム/明るい場所/洗顔/話しかけ/体操、ただしストレッチは逆効果。
- 携帯メールのチェックは目を覚ますにはいい。眠る前は×。
- 深夜に働く時にふさわしい食べ物は、低脂肪のタンパク質+炭水化物。
- 糖分は×。(持続性がなく食べる前より疲れを感じる。)
- 4時間おきに30分ずつ眠る方法。(多相性睡眠)
- 生まれ持った体質を変えることはできない⇒ショートスリーパーにはなれない。
作者は医師で日本睡眠学会の理事。睡眠不足は、健康リスクを増大させるという指摘が本書の中でも何度かされている。先日、糖質制限食の本を読んだばかりだからというわけではないが、数日の睡眠不足ですら、血糖値の上昇度合いを上げる(インスリン分泌が対応できなくなる)という事例も取り上げられている。(検索すると同種の実験はいくつも行われていて、どれも同じ結果となっている)
また、日本睡眠学会が、サマータイム導入に異議を唱えていることを知った。
サマータイム導入で起こる可能性がある健康障害として学会が指摘しているのは、(1)生体リズムへの影響、(2)眠りの質への影響、(3)眠りの量への影響―の3点。欧米に比べて国民の短睡眠化・夜型化が進行しているわが国がサマータイムを導入した場合、早寝が伴わず早起きのみが促されるため、睡眠や生体リズムに影響し、健康障害の拡大が大いに懸念されるという。例えば、サマータイム導入国のフィンランドでは、サマータイムに移行後、睡眠効率の低下や体重増加が認められ、通常の睡眠時間が8時間以下の短睡眠者では日昼行動の分断(集中力の欠如や眠気)が報告されている。
早寝が伴わず早起きのみが促されて問題が生じるというのは、個人的感覚からすると真実だと思う。
食事と同様、眠りについてもなるべく正確で最新の科学成果を取り入れて生活に役立てていきたい。
参考(過去日記)
- 読みやすい睡眠お悩み相談〜遠藤拓郎・江川達也『睡眠はコントロールできる』(2012年5月)←こちらの本の方が刺激的で面白かった。内容的には似ているが、平日4.5時間睡眠を推奨しており、本書より短時間。
- 大石健一『3時間睡眠法』(2006年9月)←奇しくもここで取り上げられている「ドクター中松 スリーピングメソッド」は、本書で紹介されるアンカースリープと考え方が似ている。(ただし、ドクター中松が起きてろ!と言っている12〜4時までは、アンカースリープでは睡眠のコアタイム)