Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

司馬遼太郎『燃えよ剣』(下)★★★★★

燃えよ剣(下) (新潮文庫)
やっと読了。
大学時代の友人に『坂の上の雲』を薦められて一巻でストップして以降、念願の司馬遼太郎の長編を30にして初読破。単純にうれしいです。

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鳥羽・伏見の戦いを経て、下巻の後半は、司馬遼太郎いうところの「北征編」ということになる。
土方歳三は、鬼神のような働きを見せるが、旧幕府軍自体は弱体化し、新選組の仲間もいよいよ持って散り散りになる。中盤、近藤勇との別れのシーン(284頁あたりから)は特に印象的だ。
結局のところ根っこの部分で二人は合わない部分はあったのだが、土方にとって近藤は特別の存在のようで、様々な部分で引き合いに出され、船上でも榎本武揚を近藤に喩えている。(沖田総司もまた土方にとって特別な存在だったようで、沖田に似ているからと言って、若い市村鉄之助を贔屓にする。)
さて、旧幕府は、なし崩し的ながらも開国を行った張本人ということで、フランス等の外国人がところどころで登場する。
当時の外国とのつきあいというのはちょっと興味深くて、榎本武揚がオランダに留学に行ったときなど、

当時のロッテルダム市民は伝説と噂のみに聞く伝説の「サムライ」を見物するために、怪我人まで出る騒ぎだった。

というので、日本という国は、やはり一部では注目の的だったのだなあと感心。
ところで、土方歳三が函館に上るずっと前に、坂本龍馬は暗殺されているという。
あれ?坂本龍馬ってこんなに早く死んじゃうの?というか暗殺されたんですか?自分の無知にまたショックを受けたので、次はやっぱり『竜馬がゆく』かなあ?(ちょっとひよって『おーい!竜馬』かなあ?)
ちょっとまとまった感想がないですが、誰もが土方歳三の生き様に惚れる、そんな素晴らしい物語でした。