Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

田中圭一『Comicサイテー―田中圭一マガジン』

田中圭一マガジンComicサイテー (ぶんか社コミックス)

田中圭一マガジンComicサイテー (ぶんか社コミックス)

タイトル通りサイテーな内容。
帯には「訴えないで!!お・ね・が・い」とあるが、これは、『神罰』の帯「訴えます!(手塚るみ子)」を意識しているのだろう。一匹目が本当に売れたかどうか知らないが(笑)、二匹目のドジョウを狙ったもののようだ。*1
インパクトはやはり、直接的なタイトルが衝撃的な「局部くん」が収録された『神罰』の方が強く、本書(Comicサイテー)は、収録された漫画はそれぞれに面白いものの、全体としての衝撃度は低い。
神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)

神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)

しかし、この本の売りは、漫画以上に、オタキング岡田斗司夫との対談。
新宿ロフトプラスワンでの対談の模様を文字に起こしたものだが、テーマが凄い
曖昧に書くが、何というか「ひとり遊び」というか、その「ひとり遊び」の方法や妄想について語り合うという、通常ではあり得ないテーマ。少なくとも常人には、このテーマで、長時間語るのは相当厳しいだろう。(笑)言うなれば、マス・コミュニケーションという言葉がぴったりくるテーマかもしれない。*2
こういうものを読むとつくづく思い知らされるが、本当に、物書きの妄想力=空想力にはとても勝てない。得意不得意があるとはいえ、ここで二人が披露し合うエピソードは、自分にとっては想像を絶する。田中圭一の方は、そういった妄想が、それとなく作品の内容に反映されていたりするので、やはりアイデアの源泉となっているのだろう。
と、遠まわしに書いたが、相当にくだらないにもかかわらず、二人の凄さがわかる対談。岡田斗司夫が、バナナを持って「何か」を説明しようとしている写真には大笑い。しかも角度を変えて複数。
なお、岡田斗司夫は、話題になった『プチクリ』も『フロン』も読んだことがないのだが、小飼弾さんのところで、新作がべた褒めされているようなので、こちらは是非読んでみよう。

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

追記

その後、タイミングよく、小飼弾さんのところで『Comicサイテー』の書評がUPされたのでトラバを送っておきました。

*1:ちなみに『神罰』はイースト・プレス、『サイテー〜』は、ぶんか社なので、装丁自体がパロディー(パクリ)という考え方もできる

*2:もうだめだ俺もオヤジだ。オヤジ認定だ。