Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

岡田斗司夫『フロン』

フロン―結婚生活・19の絶対法則

フロン―結婚生活・19の絶対法則

問題作。
タイトルの「フロン」は、夫論、婦論、父論を意味する。
この本に好感が持てるのは、岡田斗司夫が自らの問題として、結婚生活の悩みの解決法を探っている姿勢が非常によく出ていること。無責任な感じはまったくしない。その一方で、世の中の恋愛、結婚生活について、インタビューやメールなどで、多くのサンプルを入手した上で、より一般性の高い結論を求めようとしているところ。
育児を含めた結婚生活(その主体が「家族」)の中心は、あくまで妻である、という認識から、話の多くは、女性読者を想定して書かれているのもいいところだと思う。結局、男性が男性に語る育児論というのは、主夫ではない場合、その決意というか覚悟の点で、絵空事になってしまう。育児があってこそ「家族」とするなどの前提条件に、やや異議はあるが、議論の進め方は、非常にいいと思う。
ということで、姿勢としては共感できるのだが、結論部分は、すぐには受け入れられないほどショックが大きいもの。
曰く「夫を家庭からリストラする」「夫婦で新たな契約を結び別居生活をはじめる」
(これらは岡田斗司夫本人は実践していることなのだ。)
結論部分を納得できる人は少数だと思うが、家族の中での父、夫ができることを見つめなおすいいきっかけを与えてくれる本だとは思う。
また、思想的な背景となっている以下の本は読んでみたいと思う。

  • 岡田斗司夫『僕たちの洗脳社会』(唯一無二の自分、自分の気持ち至上主義)
  • 森永卓郎『<非婚>のすすめ』(オンリーユー・フォーエバー症候群、生涯恋愛社会)