Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

うたのちから

少し前の番組になるが、ヘビーローテンション*1な残業中は、心の中で「ドンスカパンパンおうえんだん」(おかあさんといっしょ)をヘビーローテーションするほどの、教育テレビ馬鹿の自分が、この番組を見逃すはずがない。

「あつまれ!キッズソング50 〜スプー・ワンワン 宇宙の旅〜」
(1月10日(土)教育テレビ 午後3:00〜5:00)

■出演
スプー(「おかあさんといっしょ」)、ワンワン(「いないいないばあっ」)
横山だいすけ (現・歌のお兄さん)、三谷たくみ(現・歌のお姉さん)
坂田おさむ(7代目・歌のお兄さん)、神崎ゆう子(16代目・歌のお姉さん)
真理ヨシコ(初代・歌のお姉さん)田中星児(初代・歌のお兄さん)
のっぽさん、神田山陽、どーもくん

■ゲスト・キャラクター
ゴン太くん(できるかな)、じゃじゃまる・ぴっころ・ぽろり(「にこにこ、ぷん」)
はに丸(おーい!はに丸)、タップ(いちにのさんすう)、ゴロリ(「つくってあそぼ」)
ケボ・モッチ(えいごであそぼ)、おどるくん(うたっておどろんぱ)
ガチャピン・ムック(BE ポンキッキ

わんわん大活躍

ゲストキャラクターでは、おどるくんがちょっと意外。ケボ・モッチは現役なので知名度が高くなくてもいいか、何故?(好きなキャラクターなのでいいですが・・・)
また、放送前には、もっとキャラクター同士の絡みや夢の対決みたいなものを期待していたが、登場キャラクターは紹介程度で、ほとんど絡みがなかったのは残念。(わくわくさんVSのっぽさんの新旧工作対決とか)

そんな中で一人気を吐いたのは、わんわん。
ムックの毛に感心したり、だいすけお兄さん、たくみお姉さんを「だいちゃん、たくちゃん」呼ばわりするなど、主役の一人として大活躍していた。本人のブログでも語られている通り、楽しさが伝わってきてとてもよかった。

ワンワン、はしゃぎすぎて
いませんでした?
ついつい楽しくって、
アドリブ、かましちゃいました。
生身で表現できるって
最高?

それ以外に嬉しかったのが、自分が子ども時代によく見た「タップ君」が出ていたこと。あの頃の記憶はいい加減なもので、「いちにのさんすう」という番組だったことは全く覚えていなかった。

本当は怖い童謡「一週間」

さて、そのタップ君は、オバケの星でわんわんとスプー相手にクイズを出す役回り。(初めて知ったが、タップ君はおばけだったのです)
「日曜日に市場に出かけ糸と麻を買ってきた」から始まる童謡「一週間」で土曜日は何をしている?みたいな問題があった。正解は「おしゃべりばかり」だったのだが、改めて聞いてみると、この童謡のラストはよくわからない。
「友達よ これが私の一週間の仕事です」
一週間の「生活」ならわかるが、「仕事です」と主張するほど仕事をしていただろうか?
少し調べると、訳の問題も大きいようだ。

特に注目すべきなのは、日本語版では土曜日に「おしゃべりばかり」したはずのところが、ロシア語の原曲では「故人への想いを皆で語り合う」という何とも殊勝な振る舞いになっているところだ。
ロシア民謡集 モスクワ郊外の夕べ (楽譜)

 「糸巻きもせずにおしゃべりばかりしているとは情けない!」と誤解しがちだが、実は先祖をうやまう誠実な人物だったようだ。

ということで、結局、具体的な仕事内容はよくわからないが、同ページのロシア語直訳を見ると、結構多忙な一週間をすごしている人らしい。
なお、同様の疑問は、当然、多くの人が感じているようで、この解明を試みたページがあった。最後まで読んでみると納得納得。(笑)

この歌に接した時、誰もがまず思うのは、一週間の仕事と歌いながら実際には、金銭を対価とした労働を全く行っていないことである。糸と麻を買う資金はどこから捻出されたのであろうか。ロシア皇帝の遺産か? この疑問についてはおいおい謎がとけるであろう。

驚きの「二代目うたのおにいさん」

さて、訳ということでは、やはり外せない「鬼のパンツ」。番組では「作曲デンツア 訳詩 不詳」というようなテロップが出ていたが、これを「訳」とは言わないだろう。
これについても「一週間」と同じ、童謡サイトによれば

「鬼のパンツは いいパンツ つよいぞ つよいぞ♪」の歌い出しで有名な童謡「鬼のパンツ」は、イタリア歌曲「フニクリ フニクラ」をベースとした子供向けのコミックソングだ。
(略)
一説によれば、作詞者はなんとNHK初代「うたのおにいさん」として知られる田中星児氏とのこと。

ということだったが、番組では、まさにその田中星児さん(初代うたのおにいさん)が変わらぬ歌声を披露していた。
映像としては、それ以外にも歴代おにいさんらが何人か登場していたが、二代目が水木一郎だったのは知らなかった。30前後の頃ということで、さすがに若かった。


選曲された数々を見ると、昨年亡くなられた福田和禾子さんの曲が非常に多かったのが灌漑深かった。「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」などと言われるが、福田さんの歌は、これからも歌い継がれ、多くの人に元気を与えてくれることと思う。もちろん、歌い伝えるのは僕らの仕事なのだが。

*1:前回エントリ参照