Yondaful Days!

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マヤの鈍感力!〜美内すずえ『ガラスの仮面』14

ガラスの仮面 (第14巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 (第14巻) (白泉社文庫)

この巻から本格的に開始するのが、北島マヤ姫川亜弓が初共演を果たす演目「ふたりの王女」です。
姫川亜弓の相手役をオーディションで選ぶ、という、挑戦者としてのマヤにスポットが当たる前半部は、これでもかと北島マヤの天才を見せつけられます。長い連載の中でも、ここまでトントン拍子に話が展開するのは珍しいのではないでしょうか。オーディションでは圧倒的な実力差で他の候補者をねじ伏せることになります。


そして、後半部からすぐに、北島マヤVS姫川亜弓の対決が始まります。
王女としての気品あふれるアルディスと、無実の罪により牢獄の中で成長したオリゲルド。誰もが思うのと逆のキャスティングをしてみせるのは、さすがの展開ですが、役作りのために生活を取り替えようという話が出るのが、面白さに輪をかけます。しかも既に「王女」的な生活をしている亜弓さんの方が、この話を切り出すのは嫌味以外の何物でもない気がしますが、北島マヤの鈍感力が全てをはね返しています。


今回、バラバラに読んでいることもあって、しっかりした比較評価ができませんが、絵はとても綺麗です。動きや表情、全てが生き生きとしており、躍動感があります。(最近のものでも、高いレベルにあると思いますが、この頃のマヤには、もっと表情の豊かさがあるように思います。特に桜小路君は美しい。