Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞4/15

一面は、「東北で次世代車研究/トヨタ・東北大 復興へ産業集積」でした。

トヨタ自動車東北大学は共同で、電気自動車など次世代自動車関連の研究開発拠点を東北に設ける。電気バスや自動車向け高度情報サービスなど先端技術の開発施設を月内にも宮城県ソニー工場内に開設。地元の中小企業を加えて将来の協力企業群を育てる。トヨタは東北を中部・九州に次ぐ国内第3の生産拠点と位置づけている。東日本大震災からの復興に向けて新産業の育成を目指す東北大と連携し、東北の事業基盤の充実につなげる…

インフラ高齢化 どう対応/更新も「選択と集中」必要(3面 けいざい解読)

国交省推計では、現在のやり方を変えなければインフラ更新費用は2040年に現在の5倍。さてどうするかについて、東京大学根本祐二教授の言葉と合わせて解説。

  • 更新費用の圧縮→公共施設の統廃合・不要な施設は更新しない
  • 更新費用の分担→民間資金の活用や利用者に使用料負担を求める

という教科書通りの方法は、実行が容易ではなく、ほとんどの自治体が見て見ぬふり。少数例として、神奈川県秦野市では「公共施設は新設せず、更新対象施設の面積を50年までに31%削減」という計画を決めている。
その他、抜本的な対策として

などがある。
→人口減少社会に対して、合理的な対処をする力は日本という国には無いと思う。原発再稼働関連の動きを見ていると本当にそう思う。つまり、移民を積極的に受け入れて人口を、そして税収を増やす方が正解のような気がする。

再生エネルギーの実力は(9面 日曜に考える)

意見の異なる二人の言葉を掲載。
沢昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)の意見は「高コスト 利用者に負担/導入なら「量」義務付けを」ということで、少し慎重な立場からコメント。

  • 風力のポテンシャルが大きいのは北海道だが、遠くの消費地まで運ぶ送電線を考えるとコスト的に厳しい。
  • ドイツの洋上風力も長大な送電線を要するため、コスト負担が大問題になっている。
  • 米国の「グリーン・イノベーション」もおおむね失敗。補助金を与えた太陽光パネルメーカーが破綻するなど幻想から覚めた状況。
  • ドイツも太陽光の全量買い取りをやめており、環境を軸にした成長戦略で成功した国はほとんどない。
  • FIT(固定価格買い取り制度)は再生エネルギーの高コストのつけを需要家に回すしくみで、FITで電気料金は確実に上がる。
  • FITでは供給会社間のコストダウン競争がなく、技術開発のインセンティブも働きにくいこともデメリット。
  • 本当に再生エネルギーを普及させたいなら、値段だけを決めるFITではなく、電力会社に導入量を義務付ける規制を導入する方が確実。
  • 有望な再生エネルギーは地熱発電。地域によってはバイオマス混焼(石炭などに木材チップを混ぜて燃やす)


おなじみの飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)の意見は「普及進めば価格低下/複数電源で供給は安定」と、明るい面に目を向ける。
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  • 太陽光の発電コストは年々低下しており、早ければ5年後、遅くとも10年以内に既存の発電とコスト的に同程度に。原発の社会的費用を含めて考えると、需要家の負担はむしろ小さい。
  • 不安定電源との批判に対しても、スペインでは全発電設備の20%を風力が占めるが、ITを駆使しつつ他の電源をミックスすることで十分な安定性を確保している。


沢昭裕さんの方に、原発に関する意見は無かったが、すぐに全廃は非合理的と考えているのだろう。自分もそう思う。
個人的には、原発を停止した場合、稼働を続ける場合と比べて、どの程度安全になるか、をまず知りたい。停止したとしても、使用済み核燃料がそこにあれば、リスクがそれほど低下しないのではないか。稼働していない原発に人員を割くのも相当な無駄が生じるように思う。
再稼働を政府が進めたいのならば、その辺りの説明を丁寧にした方がいいのではないか。

読書欄

円城塔がオススメの中国文学、薫啓章の『地図集』が気になった。訳者には中島京子も名を連ねるという。地図に関する本が読みたいと思っていたので。

地図集

地図集

短歌欄

ふくいちと呼ぶ感覚が許せない根本的にまちがっている(郡山 斎藤宏文)

その通りと思います。