【Amazon.co.jp限定】ラヴァーマン(Amazon.co.jpオリジナル絵柄ステッカー付)
- アーティスト: ORIGINAL LOVE
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2015/06/10
- メディア: CD
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- オリジナル・ラブのアルバム『ラヴァーマン』には何処か違和感がある
- 原因を探ると、アルバム2曲目の「ビッグサンキュー」に問題があることが分かる
- そもそも誰かとの別れを独りよがりに美化する主人公に共感できない
- (他の人の指摘を受けて)そうではなく、死者の弔いの歌であるという可能性に気がつく
- と、同時に、山口百恵「さようならの向こう側」との対応が気になる
- どちらの説にも穴があり、この穴を埋める解釈としてドラえもんの最終回的な位置づけの話「さようならドラえもん」にインスパイアされたという有力説が持ち上がる
- しかし、これを否定する有力説「某有名人トリビュート」説が持ち上がる
- とは言っても、やはり歌詞の解釈としては「さようならドラえもん」説は捨てがたい…
ということで、keyillusionさんからの有力な反論はありましたが、自分の中では、ますます確信を深めている「さようならドラえもん」説。
ただ、自分でも感じたことでしたが、この説で弱かったのが、前後曲とのつながりでした。たしかに、ここで突然、のび太とドラえもんの歌が登場するというのは唐突な感じがします。
しかし、3部構成(3曲-4曲-3曲)と考えた場合の、第一部に該当する残りの2曲(「ラヴァーマン」「サンシャイン日本海」)も含めて全てがドラえもんのキャラクターのことをイメージしていると考えたらどうでしょうか。
サンシャイン日本海
「サンシャイン日本海」は、当然ですが、しずかちゃんの曲です、トヨタパッソのCMで、水川あさみが演じるしずかちゃんを思い浮かべると、ほとんど違和感なく受け取ることができます。
このように連続でトヨタのしずかちゃんCMを見ると、いっそのこと、CMソングも「サンシャイン日本海」にしてしまえばいいのに…と思います。(田島貴男ボーカルではなく、本家Negiccoバージョンが良いと思いますが)
ラヴァーマン
そして「ラヴァーマン」です。
これは少し考えれば誰でもわかるようにジャイアンの曲です。
サビの歌詞の基本構造を思い出した上で、「あの歌」と比較してみましょう。
ラヴァーマン 胸に矢が刺さっている男
アイム・ア・ラヴァーマン きみの笑顔に踊るピエロ
走りだした情熱が
アイム・ア・ラヴァーマン
もうどうにも止まらないのさ
- 「アイム・ア・ラヴァーマン」→「俺はジャイアン」
- 「ラヴァーマン 胸に矢が刺さっている男」→「俺はジャイアン ガキ大将 天下無敵の男だぜ 」
- 「走りだした情熱が もうどうにも止まらないのさ」→「喧嘩スポーツどんとこい 歌もうまいぜまかしとけ 」
どちらも「名乗り」「特徴」「自慢したいところ」という自己紹介の歌になっており、驚くほど構成が似ています。
これは果たして偶然でしょうか?
いや、偶然などではありません。これ以外に田島貴男とジャイアンを結ぶ証拠を2つ挙げます。
ひとりソウルショウ
もうかなり前のことになりますが、2008年のほぼ日刊イトイ新聞の企画で、北京に旅行し、5時間という長時間の暇をつぶさなくてはならなくなったときの「田島貴男リサイタル」をご覧ください。
「もしかして、オレのトークリサイタル?
田島貴男アップダウンクイズを開催する?
それはね、回答者じゃなくて、出題者の席が
アップダウンすんの。キャッハハハハ!」
(中略)
「オレのジャイアンリサイタルが
スタートだね。
ドラえもんに出てくるジャイアンリサイタルって
もともと落語のネタだったらしいよ。
藤子不二雄Bさんのほうが、
落語が好きだったんだって」B?
(AかFです)「だからドラえもんには
落語のネタがけっこう入ってるんだって」
話の中にジャイアンが登場しますが、そのこと以上に、田島貴男=ジャイアンであるということがよく分かる会話になっており、驚きを禁じ得ません。ひとりソウルショウは2011年から始まったわけですが、2008年からその萌芽はあり、しかも原点にいたのはジャイアン。改めて図式化すれば、
- 田島貴男(=ラヴァーマン)=ジャイアン
- ひとりソウルショウ=ジャイアンリサイタル
だったのです。
ジャイアンと田島貴男との因縁について、もっといえば、2008年どころか、さらに17年も昔の1991年(今からほぼ四半世紀前)まで遡ることすらできます。
ジャイアン LOVE
信じられないような ジャイアン LOVE
ジャイアン LOVE
くり返してしまう ジャイアン LOVE
ジャイアン LOVE ジャイアン LOVE
(『LOVE! LOVE! & LOVE!』収録「GIANT LOVE」*1)
ということで、ここまで偶然が続くと、最初は冗談半分で始めた「さようならドラえもん」説ですが、ここにきて自信が確信に変わってきています。
ファイナルアンサー
そもそも、「ビッグサンキュー」の謎のひとつに、別れの歌なのにライブで笑いながら歌っている、というものがありましたが、これも田島貴男=ジャイアン説で説明がつきます。
確かに内容は、「さようならドラえもん」を題材にしていますが、これをそのままのび太(ドラえもん)視点の歌にすると泣け過ぎてしまうのです。(まさにそこが「ひまわりの約束」の強みではありますが)
つまり、「ビッグサンキュー」は、「さようならドラえもん」の2人の感動ストーリーを、第三者視点のジャイアン(田島貴男)が脚色して、カッコつけて歌った歌なのです。こう捉えることで、感動ストーリーが、キザな歌詞と田島貴男(ジャイアン)の豪快なガハハ笑いに支えられているという、この歌の構造がやっと見えてきます。
ということで、真相にあまりにも近づき過ぎてしまったので、身の危険を感じるほどです(笑)
…と、書き終えたところに、また、色々と考えさせられる解釈をコメントでいただき、大感謝です。
アルバムの中で最もとっつきにくかった歌ですが、脳内再生回数はそろそろ「ラヴァーマン」を上回ってきているかもしれません。
次回があるかどうかは分かりませんので、ひとまず最終回ということで…。
*1:このくだりは田島中毒のyokoさんの記事にインスパイアされています。