Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

死んだらどうなる

「死んだ人、生き返る」小中学生の15%…長崎県調査

 長崎県佐世保市の小6女児殺害事件を受け、県教委が県内の小中学生約3600人を対象に「生と死」について尋ねた意識調査で、15・4%が「死んだ人が生き返る」と回答した。

昨日の風はどんなのだっけ?でも取り上げられてましたが、こういった調査については、調査をする側の意図に沿ってアンケートが作られるものだと思っていますから、「アンケート調査そのものに問題がある」というid:toroneiさんらの意見には賛成です。
一方で、昨年10月頃に放送されていたNHK「子どもが見えない」(第二回)で同様のテーマが取り上げられていたのですが、その時に感じた印象が、また違ったものなのでここに書いておきます。
この番組では、佐世保市の小6女児事件を受けて、小学6年生の道徳の授業の中で「人の死」について教えた長崎の小学校が取り上げられていました。授業は、「死」という観念的なものに対して浮かぶイメージから始まり、子ども達の「死」についての認識を、先生が対話の中で掴んでいこうとするものでした。その途中で、「死んだらどうなると思うか?」との質問に対し、当てられた数人の生徒が、いずれも「生き返る」と答えたことから、挙手をさせたところ、33人中28人が「人は死んでも生き返る」と思っているという結果となりました。*1
さらに、番組では、「生き返る」と答えた数人の生徒の親が、不安に思って、「死ぬということは取り返しのつかないことだ」ということを家庭で教える場面が数家族映し出されました。
この番組を見た僕の印象は、「この子達は本当にわかってないのかもしれない」という素朴な驚きでした。親が必死になって説得しても、なお「動物は死んでもそのままだけど、人間は生きる意志が強ければ生き返る」と自分の意見を曲げない子どもや、授業の中で、本気で「生き返る」説を主張する人が複数いるのを見て、小学6年生の頃の自分とは少し違うと感じました。
それがテレビのせいなのかゲームのせいなのかという原因は別として、実際に生徒と向き合っている教師には本気で心配している人も多いのではないかと思っています。そういう意味では、子どもがどうこうではなく、教育関係者の不安がよく現れている調査なのではないかと思います。

*1:当然、多数派に流された結果なので、数字そのままを信じるわけではありません。