Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

ゲームブックの復活はあるか?

http://www.excite.co.jp/book/news/00021110724638.html
ゲームブック火吹山の魔法使いISBN:4594049095
非常に懐かしい。さらには鈴木直人の旧作も復刊が決まっているという。

3月に『竜の血を継ぐ者』(中河竜都)、4月に『七匹の大蛇(ソーサリー! 3)』(S・ジャクソン)、5月に『暗黒城の魔術師』(J.H.ブレナン)、冬に『諸王の冠(ソーサリー! 4)』(S・ジャクソン)、さらに『悪魔に魅せられし者』『魔宮の勇者たち』『魔界の滅亡』『テンペスト1』『ティーンズ・パンタクル』『パンタクル2』(いずれも鈴木直人)など、続々と復刊が決定しています。

見覚えのない『テンペスト1』というのは、『スーパー・ブラックオニキス』の改題のようだ。
引用先にも書いてあるが、ゲームブックの隆盛の時代は非常に短かった。最も流行していた1986年〜1987年当時、小6〜中1だった自分の中では、ファミコン初期の盛り上がりと合わせて、「未知の世界が広がっていく興奮」が今でも思い出される。「ドラゴンクエスト」「ゼルダの伝説」の発売が1986年だというから結局、あの短命はファミコンRPGによるところが大きいのだろう。
引用先によれば、イギリスではゲームブックのブームが再燃中だというが、日本ではどうだろうか?小学校教師の義母から聞いた話によれば、ハリーポッターシリーズも「映画は見るが本は読まない」子が大半だと聞く。20年前と比較したときに読書習慣のある子が減っているかどうかはわからないが、本より面白いものが気軽に手に入る時代なので、ブームにはならないのではないだろうか?
さて、年末にid:D16と会ったときにも、少しゲームブックの話題が出た。僕らの時代は、ゲームブックがテーブルトーク(という言い方で正しいかな?)への入り口になっていた*1部分もあったと思うが、今は、カードゲームがその役目を果たしていると聞いて、なるほどと思った。*2さすがにカードゲームの世界は全く分からないが、今自分が小学生だったら、かなり夢中になっている可能性はある。カードゲームに夢中になっている自分がゲームブックに向かうか、と問われれば、やっぱり難しいかもしれない。ということで、あの頃のブームを支えていた、僕の世代の人が買う程度ではないだろうか?
さて、復刊されるのはいずれも創土社*3というところからのようだが、これはちょっと残念なのだ。何故かといえば、自分は、あの創元推理文庫の赤い背中と肌触りが大好きだったから・・・。*4
ここから凄く個人的なことになり、同意してくれる人も少ないと思うが、あの頃の自分は本当に「本」そのものを愛していた。中身も勿論好きだったが、ちょっと厚めの赤い背の文庫本に「楽しいこと」が詰まっている。その感覚が溜まらなかった。吉田戦車の名作『戦え!軍人君』の中で、軍人君が、戦場でいやらしいビデオを借りるのを楽しみにしている話があったが、それと似ている。(ビデオデッキもない戦地では決して見ることはできないが、えっちなことが詰まっている「箱」を手にするだけで、軍人君は幸せなのだ。)
だから、僕はこれからゲームブックが次々と出版されたとしても、やっぱりあの赤い装丁じゃないとやだなあ。大好きな鈴木直人の新作は買う可能性があるけど・・・。
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でも、こう懐かしさにひたってばかりいると「しんちゃん」に「ずるいぞ!」*5と言われてしまうかもしれないので注意したい。

*1:結局僕はそちらの世界には足を踏み入れなかったのだが・・・

*2:本当にどうでもいい話で、しかも下品な話はしたくないのだが、「なるほど」と書くと、以下のエピソードが浮かんできて笑ってしまう。12月に読んだから、3ヶ月もそんな状態だ。それほどに衝撃的。http://homepage3.nifty.com/wtbw/d/d/04-12.html#anchor12252004

*3:http://www.soudosha.com/

*4:社会思想社のものはほとんど買った記憶がない。思い返すと、結構、出版社側も意識して、カバーデザインの統一による「ブランド付け」を行っていたように思う。例えばドラクエ関連のゲームブックは青、ルパン三世関連は黄色の背中だった。

*5:クレヨンしんちゃんの『オトナ帝国の逆襲』の名言。BSマンガ夜話で取り上げられるとか。うちはBS無いですが。