先日、先週土曜日放送の「日本の、これから」の内容を扱ったエントリは、いくつかのブログでリンクしていただき、沢山の人がこのページを訪れたようだ。それに気をよくして、書き漏らした話を一つだけ。
前回→日本の、これから(4/2の日記)
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金子勝らを相手に、かなりイケイケで来ていたホリエモンが「ぎゃふん」という顔をしていた場面があった。出演していた30代フリーターの方に対して、「モラトリアムだ」「甘い」という(尤もではあるが)少々過激な言葉が出る一方、ホリエモンが「僕にもそういう時期があった。でも頑張ってここまで来た」と慰めの言葉をかけていたときだったと思う。発言したのは重松清。発言内容は以下のようなものだった。
ジリ貧からの成功例の提示が「やる気」をかき立てるとは限らない。むしろ「そういう風に頑張れない自分は駄目人間」という思いが強くなり、諦めを深くしてしまう。*1
つまり、ホリエモンの言葉は逆効果だというのだ。全く同意。
実際問題、竹熊健太郎が指摘*2するように、ホリエモンのように「ゲームをクリアするのが得意な人間」もいれば、「ゲームに興味を持てない人間」もいる。セガマークⅢしか持っていない人に、ドラクエをクリアすることがいかに素晴らしいことか、クリアする過程がいかに大変だったかをいくら語っても、語られた方はセガしか持っていない自分を責めることしかできない。(例えが悪すぎますね)
というわけで、結局は、給料や出世で図るのとは別のかたちの、個人個人の幸せの実現の仕方を見つけていかなければならない、というこの前のエントリと同じ結論になる。番組自体の流れも(重松清のリードで?)そういう方向になりかけていたので、ラストで、出演者それぞれがまとめの一言を書く*3ときに、咄嗟に僕自身が思いついた言葉は「僕には僕の青い鳥」だった。が、意味的には、ホリエモンの「世界に一つだけの花」とほとんど同じ内容だったのでびっくりした。お金が全てだと常に考えているように見えるホリエモンも、結構頭柔らかいんだ、と感心した。