Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

観光と環境の社会学

返却期限を一週過ぎてしまったが、ぽつぽつと3割くらい読んだ。
図書館で借りた本は、線が引けないのが難だ。僕にとって(小説以外の)読書は、3色ボールペン無しには語れなくなってしまったので、書き込めない時点で読んだ気になれない。第一、さあ、感想を書こうかと思ってページをめくり返しても、内容についてあまり記憶がない。2500円という、この本の価格は、ちょいと興味があるから気軽に買うか・・というのからはややお高めなので、図書館で借りるのが正解なのだが、線を引けないことの「隔靴掻痒」感がある。*1
 
以下、簡単に内容と感想を整理。

  • 観光と環境について、グリーン・ツーリズムや、過疎、リゾート等に絞り込んで書かれた本。全編を通して、都市の偽善(価値観の押し付け)から離れたところで、過疎地域の住民の選択、現場の視点での地域起しについて重点を置いて語られている。(はず)
  • 序章と7章に、これまでの全総(全国総合開発)の都市と農村と言う観点からの整理があるが、非常に分かりやすい。赤線を引くイメージ。
  • 「小さな共同体」をいかに守るか、という内容は自分の興味を引くが、どうも自分は、衰退した中心市街地に比べると、過疎地域へは関心が薄いらしい。自分のこれまでの生活とリンクしないので、頭の中の世界になってしまうからかもしれない。
  • いずれにしても、農業生活者や過疎地域の住民の意識・選択についての理解なしに、農業や里山を語るべきではない、ということか。そういう意味では、半ば実践しながらそれを語る「鉄腕DASH」の姿勢は正しいなあ、と思う。逆に、土居丈朗の「地域切捨て」の考え方はわかりやすいが、そういった地域の苦渋を完全に無視するもので、やっぱりどうかと思う。*2
  • 逆に、そういった地域生活者の選択を方向付けるのが、政治家・官僚の役割(例えばリゾート法)であり、過去の失敗の責任は大きく、逆に言えば、やりがいのある仕事なのかもしれない。

*1:付箋?ペンに比べると面倒すぎる。

*2:本書でもp264で、経済的効用があるところに人が住み、ないところからは人は去るというマージナルランドの考え方への反発が述べられている。