Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

オリジナル・ラヴインタビュー(『bridge』Vol.47)

先日買ったMARQUEEは、思っていたよりページが少なかったこともあり、やっぱり1ミュージシャン目当てに音楽雑誌一冊買うのはやめにしようか、と反省した*1のだが、bridgeのインタビューは買って良かった。これは、ホント凄くて、何が凄いかって、インタビュアーの「無礼」すれすれの質問内容。
ということで、今回はインタビュアー鈴木あかね氏*2の発言のみを追っかけるエントリということで、ひとつよろしくお願いします。
まずは、インタビュー前の導入部。

ウェルカム・バーック!と大声で叫んでいいと思う。
(略)前作『街男 街女』は・・・純和風ポップの野心作で、個性的ではあったが、正直、古くからのファンの間では評価が分かれていたと思う。ところが、最新作『キングスロード』は違う。
(略)田島貴男が、ようやくオリラヴ本流の王道ポップに戻ってくる予感がする。

と、言いたいことはわかるものの、近作も含めてオリジナル・ラヴのファンやってます!という人たちには、ちょっと違和感の残る書き方で始まる。
序盤から中盤にかけては、今回のアルバムに入れられなかった曲の話、ビートルズなどの曲は使用許可が下りなかったという話、「青い鳥」がオリジナル・ラヴの新曲に聴こえる*3、という話など、普通のインタビューの内容が並ぶ。
しかし、オリジナル・ラヴの最近の活動に関して質問する終盤の畳みかけが凄い!ここまで聞くか?という内容。

(最近のアルバムにはライヴ感があるが・・・)一方で、ここのところ、昔からのオリラヴのファンだったら、クールな田島さんはどこにいったの?みたいなのがあるかもしれないですけど、そこは今はどう考えているんですか?

→と、まずは婉曲に聞く。

うん、「生」のパワーは感じますよね。その分、昔のファンからすると、『踊る太陽』あたりから、この人は何か間違った方向に向かっているんではないか、という心配もあると思うんですけど。ぶっちゃけすぎというか。

→!!!「間違った方向」!!!凄いフレーズ!でも意味はわかる。

このカバーアルバムからも、「恋の片道切符」と「青い鳥」が両A面で出ますよね。で、「片道切符」は『街男 街女』の濃さに近いんですけど、「青い鳥」は、田島さんのきれいなところが生で出てるのがいいんだろうと思うんですよ。

→これは、僕自身と感想が似ているし、大概の人がそう思っているのでは?
そして、セルフ・プロデュースというオリジナル・ラヴの特徴について少し触れたあと、決めのフレーズ。

じゃあ、この機会に「青い鳥」に戻ってきてください。洋楽と邦楽の中間のポップスというか(笑)

「戻ってきてください」だって!!!新作紹介のインタビューなのに、今後の活動についても意見する、という信じられない展開!!!・・・・と思いつつも、やっぱり大概のファンは「戻ってくる」ことも含めて「変化していく」田島貴男を期待しているのだと思う。
僕自身の気持ちとしては、やはり、今の田島貴男が『風の歌を聴け』のようなアルバムをつくったらどうなるのか、に非常に興味がある。ただ、正直言って、『ムーンストーン』のタイミングで、そういうアルバムが出ると思っていて、個人的には肩すかしとなっただけに、最近は「戻ってくる」ことは意識しなくなった。
また、何度も書くように『街男 街女』での歌詞の面での新機軸は、戻る戻らないは別として、これから大いに期待できるところだろう。
だから、鈴木あかね氏の気持ちには大いに共感を覚えつつも、やはり、歌詞についても楽曲についても、いろんなところで、田島貴男には驚かされたい、と思ってしまうわけです。
そして、それはやはり本人のオリジナルでしか得られないものだから、だからインタビュアーの鈴木あかね氏も、かなり勇み足というかトラベリングというか、随分先の次の新作を意識して話を聞きたかったのだろう。*4
ところで、他にあまり興味の湧く記事はなかったのだが、巻頭の桜井和寿×藤巻亮太レミオロメン)の対談で、互いへのオススメ本、オススメCDのコーナーで、藤巻が桜井にマンガ『ここはグリーン・ウッド』を薦め、桜井が藤巻に広瀬香美のアルバムを薦めているのが気になった。レミオロメンはちょっと聴いてみるか。広瀬香美も。

関連(トラバ送信用):http://originallove.g.hatena.ne.jp/originalovebeer/20051224

*1:第一、あの雑誌は大きくて不便。

*2:実は『街男 街女』のときも、この人のインタビューはしっくり来たことを思い出した→http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20041012#hope

*3:ここで、鈴木あかね氏が「青い鳥」を絶賛しているのが、ラストへの伏線となっている。

*4:これらの質問に対して、田島貴男がどう答えているかは、ここでは書きません。是非、店頭で手に取りご覧下さい。(気が向いたら後日追加します)