Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

藤原カムイ『旧約聖書-創世記』

旧約聖書ー創世記ー (白泉社文庫 ふ 2-1)

旧約聖書ー創世記ー (白泉社文庫 ふ 2-1)

驚いたことに、藤原カムイを読むのはこれが初めて。
自分の趣味嗜好から考えると、容易に辿り着くのではないかと考えられる漫画家だけに驚き。
タイトルどおり、聖書の世界を描いたこの本は、とにかく「絵」が素晴らしく、ノアの箱舟のシーン、バベルの塔のシーンなどは、大友克洋AKIRA』の爆発シーンを思い出させるくらい、丁寧で細かい。また、ケルビムの登場シーンや、大男ネフィリムなど、巨大な生き物に魅力を感じるのも、絵が丁寧だからこそなのだろう。文庫本などという小さなサイズの本で読むのは申し訳ないと思ってしまう。勿論、そういった派手なシーンではなくとも、ひとつひとつの「絵」を飽きずに楽しめる作品だった。
ただし、あとがきでも書かれているように、この物語は未完。あともう少し先まで話の続きを見てみたい。(ストーリー的には聖書の内容をたどることはわかっていても)