Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

情熱大陸・田中宥久子

ヘア&メーキャップ・アーティスト・田中宥久子、61歳。
 顔の筋肉をマッサージすることで皮膚のたるみを引き締め、結果、たった3分で『10年前の顔』になることができるという『造顔マッサージ』をあみ出した。メイクの仕事をする中で「素肌の美しさ」が何より重要であると感じたことからのスタートだった。
 誰にでも手軽にできることから幅広い年齢層の女性の支持を集める『造顔マッサージ』。本を出版すれば驚異の売り上げをあげ、雑誌の特集はあとを絶たない。全国各地から講演会の依頼が相次ぐ…。いま、世の女性たちからひっぱりだこの田中に密着する。
 彼女の夢。それは、どんな人種の人も「造顔マッサージ」で美しくさせること。夢の実現の第一歩として、彼女はイタリアへ飛んだ。果たしてその思いは世界の人たちの心をも動かすことができるのだろうか…。

これだけ売れている人だから、何というか「山師」的なオーラを持つ人かと思っていたが、全く違った。
逆に、まじめな努力家という印象もなかった。
自分の才能と進むべき道に確信を持ち、ただ、その道を自分のペースで進んでいる人、という感じだ。
「迷い」は感じられない。

番組内では、現在の一人暮らしの様子、離婚についてのインタビューと合わせて、二人の娘と食事をするシーンが映し出される。実際には寂しい気持ちもあるだろうが、互いに誇りを持ち、尊重しあう、という関係、そこには一面であっても理想的な親子関係があるのかもしれないと思った。

番組の主眼は、人間・田中宥久子よりも、彼女のマッサージとメークを受け、美しく生まれ変わる人たちにあったのだが、老人ホームのお婆ちゃんの笑顔が印象的だった。
島本和彦風にいえば「やる気パルス」=田中宥久子から湧き出るプラス志向が次々と周囲に伝わっていくようで、その影響力の凄さを感じた。
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なお、田中宥久子は61歳。立川談志71歳を見たあとでは、61歳はまだまだ若いなあ、と思ってしまうから面白い。
でも、さらに、上には上がいるからなあ・・・。

60歳は還暦。普通なら「人生の晩年が始まる」と思うかもしれない。でも、僕は違った。本当に新しい人生が今から始まると思えた。ちょうど同じ頃に、哲学者マルチン・ブーバー氏の「人は創(はじ)めることを忘れなければ、いつまでも若くある」という言葉に出合っていてね。その言葉が非常に心にしみた。新しいことへの挑戦を続ければ、体は老いても心の若さは続くのだと。それからはもう挑戦の人生。人がやらない、新しいことを創めるようになった。この言葉への共感こそが僕のパワーになっているのかもしれない。

四十五十は鼻たれ小僧だとか、六十、七十は鼻たれ小僧だとかいう言い方があるそうだが、それもあながち嘘ではないかもしれない、と思う。
そのとき、重要なのは、上で引用されている言葉にあるように「創めることを忘れない」こと、そして、何かを創めるのに十分な「健康」なのだろう。