- 作者: 田中芳樹,山田章博
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/06/12
- メディア: 文庫
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- 作者: 田中芳樹,天野喜孝
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1989/09
- メディア: 文庫
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話を分かりやすくし、キャラクターを際立たせるためか、対立関係を明確にするような会話など、2人の関係性をクローズアップした場面が度々登場する。が、これはとてもいい話運びだと思う。
この巻では、まず、ルシタニア関係で、王弟ギスカール対ルシタニアの騎士見習いエステル、国王イノケンティス対マルヤムの内親王イリーナの対決シーンがあり、その後、地下牢から抜け出したエステルとゾット族のメルレインがアルスラーンのもとに向かうシーンがある。さらに、同じく異国出身の二人の呉越同舟パターンとして、かつてはの敵同士トゥラーンの将軍ジムサと、パルスの騎士ザラーヴァントが、ペシャワール城から逃亡を計る場面もある。また、遠く離れたギランでは、アルフリードとエラムが喧嘩をしているが、これはいつものこと。
これらの中で言うと、メルレイン、ジムサ、ジャスワント辺りは混乱しそう。(ジャスワントはメインキャラの扱いだと思いますが)
また、負けた敵を生かしてくすぶらせるという伏線もパターンとしていくつかある。この巻では、壊滅的打撃を受け、しばらく国としての復興は難しくなったトゥーランの狂戦士イルテリシュは生き延びるも、魔道士グルガーンの魔の手に嵌り、ザーハック復活の道具にされる模様。さらにナルサスの旧友シャガードは「おぼえてろーお」という漫画のような捨て台詞を吐いて復讐を誓う。この辺りは今後の話に絡む伏線なのだろう。ここら辺の分かり易い伏線もこの物語の特徴のひとつかもしれない。
さて、ストーリーのおさらい。
アルスラーンらは南方の港町ギランで軍資金を集め、再度エクバターナに向かうことを決める。
王都エクバターナでは、アンドラゴラス王の軍とルシタニア軍が激突。西からはヒルメス軍が南からはアルスラーンたちが、それぞれ「王都奪還」を目指してエクバターナに向かうという、いよいよ第一シリーズのクライマックスを迎える。
なお、田中芳樹版の表紙は、ファランギースなのかな??と勘違いしていたが、(次巻の口絵などから見て)アルフリード。もうちょっとオテンバな感じの印象だが・・・。